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連載:第92回 経営危機からの復活

ハローワークで「避けるべき会社」と呼ばれた企業のV字回復。企業再生を牽引するリーダーの3条件

BizHint 編集部 2025年9月12日(金)掲載
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長年続く赤字経営、「部下は上司のロボットでいい」と言われるほどのイエスマン文化と過酷な労働環境で、社員はどんどん辞めていく…。かつて、ハローワークで「避けるべき会社」とまで言われていたのが、福井県にある明和工業株式会社です。そんな同社は現在、見事V字回復を果たし、利益率は約10倍、離職率は大幅に改善され、第15回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査員会特別賞も受賞するほど、大きな変貌を遂げています。同社がまるで“別の会社”のようになった要因には、土本謙吾社長が貫いた「指針」がありました。詳しく伺います。

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長年の厳しい経営体質に高い離職率、イエスマン文化…そんな潰れかけの会社が再生できた理由

——1980年の創業以来、人々の安全を守る「法面工事」を主軸に成長を続けてきた貴社ですが、一時は倒産寸前の大変厳しい状況だったそうですね。

土本謙吾さん(以下、土本): そうですね。バブル崩壊以降、15年以上赤字と黒字を繰り返す不安定な経営が続いていて、相当厳しい状況でした。一番ひどいときは年商が10億円に満たない中で1億円の赤字を出したこともあります。

——貴社の長年に渡る厳しい経営体質の原因は何だったのでしょうか。

土本: 「薄利多売」のビジネスモデルだったことが挙げられます。当時は本社のある福井以外に、滋賀、大阪、静岡といった拠点を増やすことで売上を伸ばしていました。しかし、拠点拡大に対して管理が行き届かず、工事の質は落ちていく一方。さらに、過酷な労働環境だったこともあり、新しく社員が入ってきてもすぐ辞めていき、社内に技術力が蓄積されていかない。結果、単価の高い仕事が取れず、安さでしか勝負できないため、質の担保が難しい。利益の取れない仕事も増えていき、どんどん赤字が積みあがっていく…そんな悪循環に陥っていました。

また、組織文化にも大きな問題がありました。上司から「部下は言うことを聞くロボットでいい」という発言があるほど、イエスマンが望まれる文化だったんです。そのため、社員はみんなどこか諦めている、失敗したとしても営業のせい、現場のせい、業者のせい、お客さんのせい…そんな他責が当たり前になっていました。

あとから聞いた話ですが、ある社員が就職活動中にハローワークへ行ったら、「あの会社(明和工業)はやめておいたほうがいい」と言われたそう。赤字が積みあがっていて、毎年人が辞めているような会社だったのですから、ある意味当然だったと思います。

——そんな危機的状況から抜け出せた要因は何なのでしょうか?

土本:突き詰めるとたったひとつ です。それを徹底したことにより、長年の赤字が解消され、さらに自ら考え行動できる組織に変化してきていると感じています。当社の成長に欠かせない指針です。

——その指針とは?

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