連載:第16回 総合 2020年1月~3月
日本総報酬サーベイ2019、外資・日系企業の経営幹部クラス報酬差は1.5倍
世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社は、日本における報酬に関する市場調査「Total Remuneration Survey (以下、TRS)」の2019年版レポートを発表しました。今回のサーベイの参加企業は679社と過去最大規模となり、そのうち日系企業は105社と昨年よりも約1.7倍の参加数となりました。日系企業の年間報酬水準結果は、課長クラスで932万円、部長クラスで1,293万円です。外資系企業と日系企業の経営幹部クラスの報酬を比較すると、外資系企業は日系企業の約1.5倍の報酬水準であることがわかりました。
日系企業の参加は105社(昨年比172%)と過去最大に
サーベイの参加企業数は679社であり、昨年比118%と大幅に増加しました。また、そのうち日系企業の参加数は昨年よりも44社多い105社となり、過去最多です。
日系企業の参加数が増えた背景としては、報酬競争力が重視されるようになったことが挙げられます。昨今、少子化や経済状況の変化もあり、従来の新卒一括採用や終身雇用が通用しない状況になってきました。労働力不足や人材の流動化もあり、企業間では人材の獲得競争が加熱しています。
個性的な採用方法や革新的な報酬体系などが度々話題になっていますが、日系企業が人材を獲得するためには、それに加えて報酬競争力も欠かせない要素であると言えるでしょう。
外資系企業の経営幹部報酬は日系企業の1.5倍に
調査結果のハイライトは以下の通りです。
- 参加企業数は過去最多の679社(前年比99社増加)
- 日本企業の年間報酬水準の結果として課長は932万円、部長は1,293万円
- 外資系企業で経営幹部クラスの報酬は日本企業の約1.5倍
- デジタル職種(専門職)*の報酬はその他職種の約1.2倍
- 中長期インセンティブ導入率は約45%に到達。日系企業では約27%
- 見なし残業の導入率は36% 水準は30時間/月(Median)
*Business Intelligence (BI) Data Analysis職およびData Science/Big Data Mining職の、Professional層の比率平均
外資系企業と日系企業のの2015年から2019年の基本給を比較すると、日系企業では昇級予算を公平に分配する傾向があり、外資系企業は経営幹部層に予算を集中させる傾向にあることがわかりました。
外資系企業と日系企業の年間報酬を比較すると、スタッフ層の報酬差は縮まっていますが、役職が上がるにつれて報酬差は広がっています。経営幹部層では、外資系企業と日系企業の報酬差が1.5倍もあるようです。
日本の報酬マネジメントが変わりつつある
マーサージャパン プロダクト・ソリューションズ リワーズ クライアントサービス コンサルタントの曽田純平は、本年度報酬サーベイへの参加企業について以下の通り述べています。
「これまで、マーサーの報酬サーベイは外資系企業様を中心に、報酬マネジメントに活用されており、日系企業様の参加は一部にとどまっていたのが実情でした。ところが、2019年の本調査では報酬サーベイに初参加いただく日本企業が急増し、報酬データベースとしては過去最大規模のものになりました。日本における報酬マネジメントの潮目が変わったように感じています」
調査詳細
マーサー総報酬サーベイ(Total Remuneration Survey)は下記をご覧ください。
https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions/total-remuneration-survey.html
マーサー総報酬サーベイ(TRS)について
マーサーが30年以上実施している『総報酬(給与・福利厚生)』のコンセプトに基づく市場調査で、一般に総報酬調査・総報酬サーベイとも呼ばれるものです。
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000035512.html
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