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リフレッシュ休暇

2020年4月16日(木)更新

「リフレッシュ休暇」とは、社員の心身のリフレッシュを目的とし、有給休暇とは別に取得することができる休暇制度です。勤続年数により、例えば5年目、10年目といった区切りで設定している例が多くあります。この記事では、リフレッシュ休暇と有給休暇の違いや、具体的な付与日数と賃金の支給の実態。企業側・社員側から見たメリット・デメリット。また、導入ポイントや企業事例まで幅広くご紹介します。

リフレッシュ休暇とは?

リフレッシュ休暇は、職業生涯の節目に勤労者の心身の疲労回復等を目的として付与される休暇と定義されています。

制度を取り入れている多くの企業が年次有給休暇とは別に、勤続5年、10年などの節目に特別休暇として設定しています。

【参考】代表的な特別な休暇制度の例:働き方・休み方改善ポータルサイト/厚生労働省

リフレッシュ休暇導入の実態

それでは、実際にどのくらいの企業が「リフレッシュ休暇」を導入しているのでしょうか。

平成31年度の厚生労働省の調査によると、リフレッシュ休暇を導入している企業は、全体の13.1%にとどまっています。従業員1,000人以上の大企業では46.5%と約半数に迫る勢いですが、従業員300人以下の中小企業では、2割に満たず、まだまだ浸透していないことがわかります。

【出典】平成31年就労条件総合調査結果の概況:結果の概要(P6)/厚生労働省

有給休暇との違い

年次有給休暇の付与は法律によって以下のように規定されています。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
「年次有給休暇(労働基準法39条-1)」

この年次有給休暇は、勤続年数1年ごとに一定数を加算されます。また、年次有給休暇は労働者の希望する時季に取得するのが基本ですが、5日を超える部分については労使協定を結ぶことによって会社が付与日を指定することも可能です。

一方、リフレッシュ休暇を含めて、「特別休暇」は会社が独自に決めるもので、義務ではありません。明確な規定がないため、その内容や、対象の社員、有給か無給か、などもある程度自由に決めることができます。

リフレッシュ休暇を実際に取り入れている企業の中には、年次有給休暇の「計画的付与制度」で連続休暇を取ってもらう事例もあります。 しかし、特別休暇として運用する場合、就業規則に記載、また、年次有給休暇を利用する場合には労使協定で合意を得ることが望ましいとされています。

【出典】労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)/電子政府の総合窓口e-Gov

リフレッシュ休暇の付与日数と賃金の支給

【出典】平成31年就労条件総合調査結果の概況:結果の概要(P6)/厚生労働省

リフレッシュ休暇の付与日数は企業によって様々です。平成31年度の厚生労働省の調査によると、特別休暇制度を設定している企業の「リフレッシュ休暇」の最高付与日数は、1企業1回当たり平均で5.5日となりました。

また、同調査の「賃金の支給状況」を見てみると、「リフレッシュ休暇」については、全額支給が95.9%、一部支給が1.3%、無給としている企業は2.8%と、ほとんどの企業が有給扱いとしている事がわかりました。有給の割合が多い理由としては、厚生労働省がリフレッシュ休暇を推進していた当初「有給であること」も働きかけていたためと思われます。

リフレッシュ休暇は勤続年数の節目ごとに付与されるケースも多いため、休暇とあわせて特別賞与を支給する企業もあります。

社員から見たリフレッシュ休暇導入のメリット・デメリット

それでは、リフレッシュ休暇を導入する事で、社員にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

まずは、メリットから見てみましょう。

新しいアイデアの創出

休暇を有効利用しようとする社員の多くは休暇中に何らかのレジャーを行います。普段の生活では感じられない”非日常”経験によって、名目通りリフレッシュでき、仕事の中で新たな発想・アイデアにつながる可能性があります。

モチベーションの向上

数日間業務から離れる事により、ストレスから解放され、精神的・身体的にリフレッシュします。それにより、仕事に戻った時に新たな気持ちで取り組む事ができます。

また、長期休暇は計画的に取得するケースが多いため、それに向けて頑張ろうとする意欲が湧くなど、モチベーション維持の一助にもなります。

ワークライフバランスの実現

日本人が陥りがちな会社と個人という狭いコミュニティーを離れ、ワークライフバランスを見直し、家族や社外のコミュニティーとの関係性を深めるきっかけになります。

【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?正しい意味や取り組み、企業事例などご紹介/ BizHint

デメリット

デメリットとしては、「長期休暇中の引き継ぎが面倒」や「多忙なためそもそも取得できない」などがあります。

この辺りは、企業側がリフレッシュ休暇の取得を推進するにあたり、あらかじめチームの中でメンバーがお互いの仕事を把握したり、スキルを身につけておくなどの仕組みづくりや、業務負担の見直しなどの対策を講じる必要があるでしょう。

企業から見たリフレッシュ休暇導入のメリット・デメリット

次に、企業側にはどのようなメリット・デメリットがあるのか見てみましょう。

メリット

まず、企業側の導入メリットを見てみましょう。

従業員の育成や多能工化につながる

ある人材がリフレッシュ休暇など長期休暇を取得する場合、その間に業務を遂行する代わりの人材が必要となります。その人材は、普段とは違う業務を行う事になるため、新たなスキルを身につける必要もあるでしょう。

それによって個人の成長に繋がったり、それぞれが様々な業務をこなせる「多能工化」の状態をつくるきっかけにもなります。

【関連】多能工化の意味とは?メリット・デメリットと導入手順・企業事例までご紹介/ BizHint

有能な人材の確保

まだまだ制度が浸透していないリフレッシュ休暇を率先して取り入れることにより、募集・採用時のアピールポイントになり、有能な人材確保につながります。

また、先ほども触れたように勤続年数で付与されるケースも多く「長く働きたい」という感情が生まれるなど離職防止にも繋がります

生産性の向上

社員がリフレッシュしたり疲労回復する事により、一人ひとりのモチベーションが向上します。また、リフレッシュ休暇は比較的長期間である事から、その休暇取得は計画的に行われるケースも多く、そのために仕事を調整するスキルが身につきます。

これらの要因から、結果的に企業全体の生産性が上がる効果もあると言われています。

デメリット

企業側のデメリットとしては、「業務が滞る」「制度の定着に労力がかかる」などが挙げられます。業務の滞りを起こさないためには、「社員側のメリット・デメリット」でも触れたように、個人が担当できる業務の幅を広げるなどの工夫が必要です。

また、何にせよ制度導入の際には、ある程度の期間と労力が必要となります。企業側にも社員にとっても多くのメリットをもたらす制度です。次の章のポイントを加味しながら、丁寧に社内に浸透させましょう。

リフレッシュ休暇制度成功のための4つのポイント

リフレッシュ休暇を導入しても、誰も利用しないのでは意味がありません。ここでは、成功につながるポイントをご紹介します。

早めの計画とフォロー体制の構築

まず、年度始めに休暇計画も織り込んだ業務の年間スケジュールを社員に立ててもらいます。それをもとに上司との面談を行い、スケジュールに無理がないかなどを検討し、リフレッシュ休暇の実現に結び付けます。

この際に、代替え要員の指名や仕事・情報の共有も進め、休暇期間中に企業側に負担がかからないよう、また社員が安心して休めるようなフォロー体制を構築しておく必要があります。

取得しやすい雰囲気づくり

休暇を取るときの不安点は「みんなに迷惑をかける」という日本独自の考え方によります。

迷惑というネガティブ・マインドをポジティブな意識につなげるためには、経営者や、各部署のトップ自らが通常の休暇も含め、率先して取得します。休暇明けに生き生きとして戻ってきた上司の姿は、どんなメッセージよりも強くリフレッシュ休暇のメリットを社員に感じさせます。

また、社内キャンペーンなどを行ったり、別途手当を支給するなど、積極的に取得を促す施策を講じている企業も多くあります。

明確なルールづくり

リフレッシュ休暇は長期休暇のため、代替え要因にはやはり相応の負担を与えます。

気まぐれに取得したり、無理に権利を主張したりすると、周囲の社員にしわ寄せが行ってしまいます。

制度を導入する際には、労使協定や就業規則できちんと時期や条件を規定します。特別休暇ですので、業種によっては取得時期を明確に指示する事も必要でしょう。

また、取得希望日・休暇日数・行動予定などをあらかじめ申し出る「申告書」や、休暇から戻った後に「報告書」の提出を義務づけているケースもあります。

柔軟な制度運用

業務の進行具合や不測の事態で予定通りの取得が難しいこともあります。

本人とコミュニケーションを取ったうえで、取得可能な時期の変更(時には年度をまたぐことも必要)を行います。

これは会社都合だけでなく、社員の私生活の都合も受け入れる必要があります。細かい規定は必要ですが、それを押し付けるのではなく、会社・個人それぞれが理解しあい、納得できる事を最優先に、柔軟に運用します。

リフレッシュ休暇成功の実例

ここでは、リフレッシュ休暇や、休暇制度の功例をご紹介します。

ベネッセコーポレーション

ベネッセコーポレーションでは5 年目から 30 年目までの 5 年刻み(計 6 回)に特別休暇が付与される「ベネッセ休暇」制度を導入しています。その日数は「最低でも5 日」と設定され、土日の週休日と合わせて合計 9 日の連続休暇も可能となっています。

運用のキモは、社員が年間計画で休暇をスケジュールに織り込んで、期初に上司としっかり業務の見通しを立てることです。

そのスケジュールに沿って周りと協力しながら業務をうまく進めていくためには、自分の業務をもう一度見直し、フォローをしてくれるほかのメンバーに分かりやすく可視化していかなければなりません。

その過程で業務フローを見直すなど、効率化につながる取り組みが生まれ、各人がそれを進めることで、お互いにサポートし合う雰囲気ができてきます。

また、休暇終了後レポートの提出を社員に求めたところ、休暇の過ごし方とともに、『いままでの働き方を見つめ直して、自分自身を振り返ることができた』、『これからのキャリアや働き方を考える機会になった』など、社内生活の振り返りのきっかけにもつながっています。

業務を効率化しつつ、ワークライフバランスがうまく取れるようになった実例といえます。

【参考】「ポジティブ・オフ」運動を推進するために”企業における取組ポイント&事例集”を作成しました!/ 国土交通省 観光庁
【参考】(株)ベネッセコーポレーションの採用データ/マイナビ2021

ジャパネットグループ

通販大手ジャパネットグループでは、「仕事の生産性を上げ、最大限のパフォーマンスを発揮する」「プライベートを充実させて、人生を豊かにする」「従業員一人ひとりが成長し、世の中に貢献できる人・企業を目指す」を目的とした、様々な働き方改革の制度を打ち出しています。

その中でも注目を集めているのが、公休日と連続して、年に1度最大16連休が可能な「スーパーリフレッシュ休暇」(規定あり)。

社員の一人は、リフレッシュ休暇を利用して「中小企業診断士」の実務補習を行ってスキルアップに繋げたなどの事例を挙げています。

このようなリフレッシュ休暇取得の事例を、自社の採用サイトで公開したり、求人サイトで大々的に打ち出すなどして、優秀な人材の確保にも役立てています。

【参考】働き方改革/ジャパネットグループ採用サイト
【参考】旅行オペレーター求人(福岡×契約社員)/ジャパネットグループ採用サイト

オリックス

最後に、オリックス株式会社の事例をご紹介します。

同社は、「リフレッシュ」を目的とした年次有給休暇を5日(営業日)連続で取得した場合、報奨金を支給する「リフレッシュ休暇取得報奨金制度」を導入しています。具体的には、1人につき1年間に1度だけ利用でき、レジャーに関する交通費・宿泊費・飲食費などにおいて、家族や友人の分も含めて支給されます。その額は、3〜5万円。

これらの制度を活用し、1週間以上の休暇取得を促すことで、社員のリフレッシュや企業の生産性向上につなげる狙いがあります。

【参考】人事制度/オリックス株式会社
【参考】オリックス、連続休暇取得で奨励金 働き方改革/日本経済新聞

まとめ

  • 日本においてリフレッシュ休暇はまだまだ浸透していないが、制度を導入している企業では平均5.5日付与されており、ほとんどの企業で有給休暇扱いとなっている
  • リフレッシュ休暇には、生産性の向上や、優秀な人材の確保だけでなく、人材育成や多能工化など様々なメリットがある
  • リフレッシュ休暇を導入するには、休暇時のフォロー体制の構築や、取得しやすい雰囲気づくりなど、企業側のバックアップが必要不可欠である

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