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2018年11月18日(日)更新

リフレッシュ休暇

「リフレッシュ休暇」とは、社員とその家族の心身のリフレッシュを目的とし、有給休暇とは別に取得することができる休暇制度です。勤続年数により設定している企業が多く5年目、10年目といった区切りで設定している例があります。法律により定められている訳ではありませんが、企業側から見ても様々なメリットがあると考えられており、導入企業が徐々に増えています。この記事ではリフレッシュ休暇のメリットと事例をご紹介します。

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(最終更新日 2016/10/24)

1.休暇がもたらすメリットについて-リフレッシュ休暇制度の実情と導入のポイント

政府は働き方改革や各種政策の中で、個人のライフワークバランスを考慮しながら経済的にも成長を続ける方法を模索しています。 労働時間をコントロールすることによって、将来的には創造性・生産性が向上し、世界経済の生き残り戦略になる、という考えもあります。

しかし、年次有給休暇の取得率は上がっておらず、本来の目的「仕事と生活の調和」が取れているとは言いがたい状況が続いています。 世界情勢が目まぐるしく変わる中、新しい考え方を取り入れる必要に迫られているのです。

そこで、個人のリフレッシュが個人及び企業にもたらすメリットは何か?リフレッシュ休暇と制度導入のポイントについて説明して行きます。

2. リフレッシュ休暇とは?

リフレッシュ休暇は、一般的に”職業生涯の節目に勤労者の心身の疲労回復等を目的として付与される休暇”と定義されています。

制度を取り入れている多くの企業が年次有給休暇とは別に、勤続5年、10年などの節目に特別休暇を設定しています。

かつては厚生労働省が積極的に導入促進を図っていましたが、大企業の多くが導入していることと、現在ではよりきめ細かい働き方への取り組みのため、一時ほどのキャンペーンは行っていません。

3.「有給休暇」と「特別休暇(リフレッシュ休暇)」の違い

年次有給休暇の付与は法律によって以下のように規定されています。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
「年次有給休暇(労働基準法39条-1)」

この年次有給休暇は、勤続年数1年ごとに一定数を加算されます。 また、年次有給休暇は労働者の希望する時季に取得するのが基本ですが、5日を超える部分については労使協定を結ぶことによって会社が付与日を指定することも可能です。

一方、リフレッシュ休暇を含めて、特別休暇は会社が独自に決めます。法律による縛りや明確な規定がないため、その内容や、対象の社員(パートは除外など)、有給か無給か、などもある程度自由に決めることができます。

リフレッシュ休暇を実際に取り入れている企業の中には、年次有給休暇の「計画的付与制度」で連続休暇を取ってもらう事例もあります。 しかし、特別休暇として運用する場合、就業規則に記載、また、年次有給休暇を利用する場合には労使協定で合意を得ることが望ましいです。

4. 近年のリフレッシュ休暇の状況

リフレッシュ休暇の取得状況

【出典】平成25年就労条件総合調査結果の概況:結果の概要(1 労働時間制度) 「特別休暇 制度の有無、種類別企業割合」

実際にどのくらいの企業が「リフレッシュ休暇」を導入しているのでしょう?リフレッシュ休暇を含む特別休暇の導入割合が上記の表になります。

リフレッシュ休暇を取り入れている企業は、大企業に多く、金融保険業で41.8%、続いてインフラである電気ガス水道等の33.0%となっています。 全業種通算すると約10.9%の企業がリフレッシュ休暇を導入しています。

また、従業員数が少なくなるほど、特別休暇の制度を取り入れている企業は減少する傾向にあるのがわかります。

リフレッシュ休暇を導入している企業の平均付与日数は6.4日になっており、90.8%が給与を全額支給しています。 有給割合が多い理由としては、厚生労働省がリフレッシュ休暇を推進していた当初「有給であること」も働きかけていたためと思われます。

リフレッシュ休暇は勤続年数の節目ごとに付与されるため、休暇とあわせて特別賞与を支給する企業もあります。

5. 企業側から見たリフレッシュ休暇導入の狙いとメリット

社員が休暇を取得する意味は疲労回復による生産性の向上が大きな目的ですが、それ以外にも多くの好影響を企業にもたらします。 そこで、一般的な休暇の効果と、長期休暇であるリフレッシュ休暇特有のメリットをご紹介します。

個人が休暇を取得することで企業にもたらす5つのメリット 厚生労働省作成の「有給休暇ハンドブック」には、有給休暇が企業にもたらすメリットが例示されています。 ある社員の休暇取得によって、他の従業員に業務を引き継ぐことになります。

これがきっかけとなり、主に以下の5つのメリットが生じます。

  1. ルーティンでは気づきにくい業務の非効率な部分のあぶり出し
  2. 代替業務をほかの従業員が行うことにより多機能化促進の機会になる
  3. 交代要員が代替業務をこなせるかで、社員の適正を判断できる
  4. 交代要員への権限委譲で、育成につながる
  5. 休暇期間中に取得者がキャリアアップを図れる

つまり、休暇の取得をきっかけに、業務の効率化と人材育成を行うことができるのです。

【参考】厚生労働省「有給休暇ハンドブック」

6.リフレッシュ休暇取得がもたらす4つのメリット

リフレッシュ休暇は、平均日数でいえば6日間、週休二日の企業の場合であれば前後の休業日をつないで9日の長期休暇になります。長期であるがゆえのメリット4点を説明していきます。

1. “非日常”経験からくるリフレッシュ

休暇を有効利用しようとする社員の多くは休暇中に何らかのレジャー・旅行を行います。普段の生活では感じられない”非日常”経験によって、名目通りリフレッシュでき、仕事の中で新たな発想・アイディアにつながる可能性があります。

2.政府が推奨するワークライフバランス実現

日本人が陥りがちな会社と個人という狭いコミュニティーを離れ、ワークライフバランスを見直し、家族や社外のコミュニティーとの関係性を深めるきっかけになります。

【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?メリットや推進ポイント・問題点や取組事例もご紹介 / BizHint HR

3.社員および家族の企業へのエンゲージメント向上

そして、これらの経験からくる人生の充足感を通して、個人は自社へのエンゲージメントを向上させ、離職予防にもつながります。

【関連】「エンゲージメント」とは?エンゲージメントを高める方法や得られる効果もご紹介/ BizHint HR

4.有能な人材の確保

リフレッシュ休暇を取り入れている企業は、全業種の10.9%です。まだまだ制度が浸透していないリフレッシュ休暇を率先して取り入れることにより、募集・採用時のアピールポイントになり、有能な人材確保につながります。

7.リフレッシュ休暇の実例について 社員はどの様にリフレッシュ休暇を活用しているのか?

リサーチバンクが2015年6月、20代から50代の会社員、公務員の男女1200名に行った「2015年会社員・公務員の夏休みに関する調査」によると、4~5連休(27.8%)、次いで9連休(8.4%)の回答が多くありました。

リフレッシュ休暇と同程度の長期休暇のため今回はこちらのアンケートをもとに社員の長期休暇の理想の過ごし方について考えてみます。

【質問】理想の夏休みの過ごし方を教えてください。 ※複数回答/20代から50代の会社員、公務員の男女(n=1200人)

理想の夏休みの過ごし方

【出典】リサーチバンク「2015年会社員・公務員の夏休みに関する調査」

長期休暇には、旅行及びレジャーをしたいと多くの会社員が思っていることがわかります。しかし、これら旅行やレジャーには出費が伴います。

それだけが直接的な原因とは言えませんが、「自宅で過ごす」「特にない」など消極的な活動にとどまる会社員が一定数いることも見過ごせません。

リフレッシュ休暇の長さや、取得の際のルールの例 リフレッシュ休暇は特別休暇のため、制度は「各社まちまち」というのが実情です。 しかし大きな流れで見ていくと10年おきから5年おき・3年おきへ……と間隔が短くなってきています。

また、付与日数を増やしたり有給休暇を組み合わせたりすることで、10日前後から2週間、中には1か月と日数も増える傾向にあります。 別制度ですが、資格取得のための補助金や特別手当を支給することで、リフレッシュ休暇を有効に使えるよう工夫をしている企業もあります。

8.リフレッシュ休暇成功の実例

平成25年3月に国土交通省が「会社と社員を輝かせる「ポジティブ・オフ」企業における取組ポイント & 事例集」を作成しました。

ポジティブ・オフは休暇を前向きにとらえ、有意義に過ごすことによって個人、企業、社会・経済の 3 者、それぞれにプラスとなる好循環を生み出す取組として促進しています。 その中で紹介された、リフレッシュ休暇や、休暇制度の変更の成功例をご紹介します。

<ベネッセコーポレーション>

ベネッセコーポレーションでは2009年に10年ごとのリフレッシュ休暇を導入していましたが、これを現在では勤続 5 年目から 30 年目までの 5 年刻み(計 6 回)に変更、さらに最低でも5 日に増やされ、土日の週休日と合わせて合計 9 日の連続休暇が可能となりました。

また、最高付与日数も旧制度の 5 日(勤続 20 年目)から 15 日(勤続 30 年目)へ大幅に増やされています。

日数を増やしてチームワークの向上に成功しましたが、各部署で今のところ混乱は起きていないといいます。

運用のキモは、社員が年間計画で休暇をスケジュールに織り込んで、期初に上司としっかり業務の見通しを立てることです。

そのスケジュールに沿って周りと協力しながら業務をうまく進めていくためには、自分の業務をもう一度見直し、フォローをしてくれるほかのメンバーに分かりやすく可視化していかなければなりません。

その過程で業務フローを見直すなど、効率化につながる取り組みが生まれ、各人がそれを進めることで、お互いにサポートし合う雰囲気ができてきます。

また、休暇終了後レポートの提出を社員に求めたところ、休暇の過ごし方とともに、『いままでの働き方を見つめ直して、自分自身を振り返ることができた』、『これからのキャリアや働き方を考える機会になった』など、社内生活の振り返りのきっかけにもつながっています。

業務を効率化しつつ、ライフワークバランスがうまく取れるようになった実例といえます。

<日立ソリューションズ>

日立ソリューションズは既存の年休取得制度を「ポジティブ・オフ休暇」として集約しました。

ポジティブ・オフの目的は

  • 休暇を取得しやすい職場環境や雰囲気を整えていくこと
  • それをベースとした外出・旅行を通じて経済活性化に貢献すること
  • 長期的にワーク・ライフ・バランスの実現や休暇を楽しむライフスタイルなどの「ライフスタイル・イノベーション」につなげていくこと

です。

この休暇に細かなルール・制約はなく、ポジティブに休暇を使うことが唯一の条件です。

制度を集約した根底には、会社が制度化した休暇は申請しやすいが、通常の年休を取得しにくい社内風土はどの企業にもあること、ワーク・ライフ・バランスの推進が命題と分かっていてもこうした心理的なハードルを個人が越えることは難しいことから意識の改革が必要になったことです。

ポジティブ・オフ休暇を取得するときには、義務ではありませんが、『明日はポジティブ・オフで休みます』『ポジティブ・オフで勉強に行っています』と周知をします。オープンに制度を利用することで、休暇をネガティブなものからポジティブなものへ、という意識変革が図れます。

「すみません」と休暇を取るのではなく、社員同士のフォローができるのが当たり前の環境づくりの取り組みです。

ポジティブ・オフ休暇は、リフレッシュ休暇とは少し制度が違いますが、この意識変革の在り方は休暇そのものの考え方を変えるヒントになります。

9.リフレッシュ休暇制度成功のための4つのポイント

リフレッシュ休暇を、制度として取り入れたとしても誰も利用しないのでは意味がありません。企業側にも社員にもメリットをもたらし、成功につながるポイントをご紹介します。

1. 期初に年間計画を立てる

年度始めに休暇計画も織り込んだ業務の年間スケジュールを社員に立ててもらいます。

それをもとに上司との面談、スケジュールに無理がないか、代替え要員の指名や仕事・情報の共有を進めて、リフレッシュ休暇の実現に結び付けます。

2. 社内のムード作り

休暇を取るときの不安点は「みんなに迷惑をかける」という日本独自の考え方によります。

迷惑というネガティブ・マインドをお互いの協力による向上というポジティブな意識につなげるためには、経営者や、各部署のトップ自らが通常の休暇も含め、率先して取得します。

権限の委譲をされれば、そこにやりがいを見出しより向上心を持って業務に取り組む社員もいるはずです。社員を信頼し、休暇明けに生き生きとして戻ってきた上司の姿は、どんなメッセージよりも強くリフレッシュ休暇のメリットを社員に感じさせます。

3. 取得時期の規定

リフレッシュ休暇は長期休暇のため、代替え要因にはやはり相応の負担を与えます。

休暇の取得者が気まぐれに取得したり、無理に権利を主張したりすると、周囲の社員にしわ寄せが行ってしまいます。

制度を導入する際には、労使協定や就業規則できちんと時期や条件を規定します。特別休暇ですので、業種によっては取得時期を企業が明確に指示するなども必要になってきます。

4. 柔軟な制度運用

業務の進行具合や不測の事態で予定通りの休暇が難しいこともあります。

本人とコミュニケーションを取ったうえで、取得可能な時期の変更(時には年度をまたぐことも必要)を行います。

これは会社都合だけでなく、社員の私生活の都合(介護・天災)も当然受け入れる必要があります。3で説明した細かい規定は必要ですが、それを押し付けるのではなく、会社・個人それぞれが理解しあって柔軟に運用します。

10. まとめ

日本企業内において有給休暇取得率が上がらない背景には、休暇の取得が将来の賃金や待遇にネガティブな影響を及ぼすと、不安を抱いているためと考えられています。

しかし、リフレッシュ休暇(特別休暇)は、例外的に社内や社員間に「取得者に協力しよう」という意識が浸透しています。

このムードを壊すことなく制度の周知、年間付与計画を徹底し、業務を滞らせることなく実践していくことが大切です。

また、トップ自らが休暇によって心身ともにリフレッシュできるモデルを社員に提示することで、より社内の連帯感も高まり、会社全体のリフレッシュを図ることができるのです。

11. 参考URL

http://research.lifemedia.jp/2015/06/150624_summer.html

http://www.mlit.go.jp/common/001002307.pdf

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%9F%BA%E6%BA%96%E6%B3%95%E7%AC%AC39%E6%9D%A1

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/gaiyou01.html

http://www.tamagoya.ne.jp/roudou/2008/01/247.html

https://jinjibu.jp/qa/detl/22763/1/

http://work-holiday.mhlw.go.jp/

http://jobtus.jp/refresh-vacation/

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