連載:第16回 悩める管理職の方へ「マネジメントのススメ」
「1on1で組織が良くなる」は経営者の幻想。企業成長につながるマネジメントの本質
上司と部下の定期的なコミュニケーションの場である「1on1」。導入企業は増えている一方で、現場としては「何を話したらいいかわからない」「忙しいのに時間の無駄では?」「会社からの指示なので仕方なくやっている」という実情もあるでしょう。トヨタ、三菱電機をはじめ150社以上の人材育成・組織開発に携わってきたワンネス株式会社の石山喜章さんは、「そんな1on1ならやめてもいい」と指摘します。企業成長につながる1on1の本質とは?多くの企業でリアルな1on1事情を目の当たりにしてきたご経験から、「機能する1on1のポイント」を教えていただきました。
なんとなくの「1on1」ならやめたほうがいい
1on1ブームの影響により「上司と部下が1対1で話す場が必要だ」という認識が広がったことで、導入する企業が増えています。そのこと自体は悪いことではないですし、1on1を行うことにより何かしらの成果を得ている企業もあります。
一方で、とりあえず会社が決めたことだし、なんとなく1on1を続けているけれど、部下にとっても上司自身にとっても苦痛の時間になっている…そんな状況に陥っている組織も多いのではないでしょうか?
実際に現場の管理職に話を聞くと「忙しくて時間がとれなくて大変」「そもそも何を話していいのかわからない」「他のミーティングもあるのになぜ1対1でやらなきゃいけないのか」という声は多く聞かれます。部下側も「何のための時間なのかわからない」「言いたいことは何にも言えない」といった状況になっていることもあるでしょう。
そんな状態で1on1を続けているのであれば、やめたほうが良いと思います。 「1on1さえやっていれば組織が良くなる」は幻想です。むしろ、組織の状態や業績が悪化することにもなりかねません。
では、組織の発展に本当に必要なものとは何なのでしょうか。
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