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連載:第68回 リーダーが紡ぐ組織力

「指示待ち」を変えたリーダーが貫いた覚悟。トップダウンから主体性あふれる組織への11年

BizHint 編集部 2026年1月27日(火)掲載
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「強いトップダウンで、言われたことだけをやる姿勢が染み付いていました」。遠心分離機の製造・開発を手がける株式会社松本機械製作所 代表取締役社長 松本知華さんは、32歳で社長に就任した当時を振り返ります。指示待ち組織に危機感を覚えた松本さんは、社員の主体性を引き出すためにマネジメントスタイルを変えるも、組織はバラバラに……。その失敗から、主体性を引き出すため、本当にやるべきことに気がつきます。結果、自ら考えて動ける社員が増え、業務改善や新規事業の提案が自然と生まれる組織に。経常利益も実質5倍ほどに増加しています。松本さんが10年以上かけて取り組んだ、改革の全貌とは。詳しく伺います。

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「指示待ち組織」を改革するも、組織崩壊の危機に。失敗から学んだ、主体性を引き出すためにやるべきこと

――最初に、松本さんが入社された頃の状況について教えてください。

松本 知華さん(以下、松本): まず、当社は曽祖父が創業した遠心分離機の開発・製作を手がける企業です。私が入社した2010年当時はトップダウン型のマネジメントで、社長の意見が絶対視され、口答えの許されない雰囲気がありました。そのため、 社員の多くは「言われたことだけをやる」という、いわゆる指示待ちの姿勢が染み付いていました。

――松本さんは、2014年に社長に就任されていますね。

松本: はい。32歳の時に、社長に就任しました。

当時は非常にアナログで、事務作業は手書きやFAXが中心でした。それを変えようと「パソコンを使えばもっと効率的になりますよ」と提案しても、強い口調で反論され、口論になることも日常茶飯事で……。

現場を知らない若手の私が突然社長になり、上から指示しても受け入れられないのは当然ですよね。先代と同じやり方では通用しないのだと痛感しました。 このままではいけないと、「皆さんのおかげで会社が回っていると思っています。私に教えてください。協力して、やっていきましょう。」という姿勢に切り替えたんです。

毎月、各部署から意見を吸い上げる「部長会議」もスタートし、大幅に権限委譲しました。 一人ひとりが主体性を発揮できるよう、トップダウンではなく現場の意見や判断を尊重するマネジメントに方針転換したんです。しかし、これは大失敗に終わりました……。

――どういうことでしょうか?

松本: 今度は全く違う、より致命的な問題が起きてしまったんです。 権限を委譲しすぎた結果、各自が独自の判断で行動するようになってしまって。「主体性」が「自由」と捉えられてしまい、社長のグリップが効かなくなってしまいました。 全員がバラバラの方向を向いて走り出したような状態で、組織としての一体感が失われていったんですね。このままでは組織が崩壊するという危機感を強く感じました。

当時は「権限を渡せば主体性が生まれる」と思い込んでいました。 でも今思えば、それは大きな間違いだったんです。 社員の主体性を引き出すためには、権限委譲する前にやるべきことがありました。そこに気づけたことで、少しずつ組織の一体感は高まり、社員たちが意見やアイデアを発揮できるようになりました。

結果、現在のように現場から自然と改善提案が生まれ、成果を出せる組織に変化。当時と比較すると、経常利益も実質5倍ほどに成長しています。

――やるべきこと。それは、何だったのでしょうか?

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