連載:第28回 悩める管理職の方へ「マネジメントのススメ」
「公平な評価」は上司の幻想。人が辞めない人事評価、納得感を生み出すメカニズム
BizHint 編集部
2025年11月13日(木)掲載
部下との関係性、うまくいっていますか?そうでない場合、原因は「人事評価」かもしれません。「評価に自信がある」と言い切れる管理職は少なく、多くの方が評価に苦手意識を持っています。背景には「公平な評価でなければ」というプレッシャーがあるのではないでしょうか。しかし、その「公平な評価」こそ上司の幻想だ、と語るのは大手損害保険会社で部長を務めながら、1on1ミーティングプロフェッショナルコーチとして企業支援を行う竹野潤さん。マネージャーを務めた8年間離職者ゼロを達成し、チームを全国1位の営業成績に導きました。会社の評価制度は同じでも、上司の向き合い方次第でチームは劇的に変わる……。今回は、人が辞めない「人事評価」の本質について詳しく伺います。
「公平な評価」は幻想だった。人が辞めない人事評価の本質
――竹野さんは、マネージャーに就任されてから「公平な人事評価」を目指していたものの、途中でその考え方を根本から変えられたとのこと。なぜでしょうか?
竹野 潤さん(以下、竹野): マネージャーに就任した当時、 会社からは「公平な人事評価」を行うよう求められていましたし、私自身もそれが正しいと信じていました。でも、ある苦い経験によって、それは覆されました。
当時、チームに優秀な社員がいました。前任の上司からはピカピカの「良い評価」を受けていた人物です。営業成績も良く、お客様からの評判も抜群でした。ただ、普段の行動を見ていると役職的には不足があると判断し、人事評価のルールに則って「普通」の評価を付けた。それが、会社が求める「公平な人事評価」だと思ったからです。
すると、評価を見た彼は「なぜ、僕がこんな評価なんですか!納得いきません!」と烈火の如く怒り出して……。 評価の根拠を説明すると、多少は納得してくれました。しかし、私と彼の信頼関係は崩れてしまいました。
そのときに気がついたんです。人事評価に必要なのは「公平さ」では無い。そこには、もっと重要なポイントがあるのだと。
――それは、何でしょうか?
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