連載:第74回 IT・インターネット
DX戦略の推進状況、部門別のデジタル化は実現したが統一ビジョンはまだまだ途上
全社業務をデータ化することでデジタル経営を可能にするDX。情報資産を明確化することにもつながり、リアルの業務改革にも寄与するとあり、DXの概念はここ数年大きく注目を集めています。一方で多くの企業がDX進捗に足踏み状態で“データドリブン経営”までたどり着いていません。
多くの企業が「顧客データの管理」に課題
タナベコンサルティングが役員、経営幹部、部門責任者、デジタル担当者などを対象に実施した「2023年度 デジタル経営に関するアンケート調査」によると、「DXの取り組み進捗度に対する自社評価」では「全体的にまだ不十分」の回答が30.3%ともっとも多かったのですが、「一部/複数の“業務”でデジタル活用できている」の合計が46.6%と半数近くになっています。
一方で「DX戦略の推進状況における自社評価」については、「部門別のデジタル方針・施策で運用」「デジタル施策は場当たり的」がともに23.5%と、統一的なビジョンは実現していません。「DXの推進体制」についても、「決まっていない」24.9%が最多でした。ただし「DX推進部門を保有(専任あり)」も21.7%存在し、二極化が進んでいるようです。
「顧客データの管理レベル」について聞くと、「システム連携に課題。一部手作業が残る」26.7%、「顧客データは表計算ソフトレベルで管理」20.8%、「システムはあるがデータに不備(未入力など)」18.1%が上位で、DXは進んでいない模様。「全社の情報資産(データ)の蓄積と活用度」についても、「必要データが効率的に収集できていない」24.9%、「データ蓄積と活用の必要性の理解そのものが乏しい」が上位で、データドリブン(データに基づく判断や活動)経営の理念に現状が追いついていません。全社業務の可視化・データ連携も「業務プロセス、データ連携ともに中途半端で改善が必要」41.2%が最多でした。
こうした結果を受けタナベコンサルティングでは、ビジョンにDXを落とし込むこと、時流に即したマーケティング施策をタイムリーに展開すること、業務可視化とアナログ視点を外さないことなどの重要性を指摘しています。
調査方法
調査期間:2023年11月6日~24日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の企業経営者、役員、経営幹部、部門責任者、デジタル担当者など
調査人数:221人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000182.000058707.html
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