連載:第8回 経営・SaaSイベントレポート2023
上司の優しさだけでは組織は成長しない。松下幸之助も語った「部下の主体性を高める」2つのカギ
「目標数字を伝えているのに、毎月未達成が続いている」「優しく指導しているのに、部下が一向に成長しない」「制度も整えて働きやすい環境になったはずなのに、変化が見られない」など、日々多くの組織に関する悩みを耳にします。しかし、そのままでは組織の成長は望めません。会社の目指すべき方向性に共感し、社員一人ひとりが主体的に動ける組織に変わる必要があります。本記事では、松下幸之助の言葉にもみられる主体的な組織をつくるための2つのカギと、それらを実現するためのポイントについて解説します。
1990年株式会社PHP総合研究所に入社。以降、一貫してPHPゼミナールの普及、および研修プログラムの開発に取り組む。2001~2003年に神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。他に中小企業診断士資格も持つ。リーダーシップ、マネジメント、コーチング、キャリアデザイン、営業力強化をテーマとした研修を得意としている。
主体的な組織をつくる上で欠かせない2つのカギ
社員それぞれが会社の掲げるビジョンに共感し、その実現のために貢献しようと主体的に意識し、行動する。「主体的に意識し、行動する」というのは、やらされ感ではなく、自分の意思・責任において考えて自律している状態です。一人ひとりがそのような状態になれば、自ずと成果が高まり、個人の成長も後押しされて、強い組織になっていく。このような組織を目指している経営者の方は多いかと思います。
この、 社員の主体性を高める組織づくりに欠かせないキーワードが「エンゲージメント」 です。
実際、エンゲージメントと生産性は相関性があると言われており、たくさんの調査結果から、エンゲージメントが高い社員は生産性も高いことが分かっています。
このような背景から、エンゲージメント向上のための施策を行っている企業も増えてきています。しかし、「思ったより効果が出ていない」という企業も多いのではないでしょうか。組織コンサルティングを行う当社にも、「エンゲージメントを高めるために力を貸してほしい」というご相談を多くいただきます。お話を伺っていく中で、エンゲージメント向上の施策がうまくいっていない企業の特徴が見えてきました。
それがこの4つです。
- エンゲージメント調査の点数アップを目的としている(手段の目的化)
- サーベイの結果(定量データ)がすべてだと思い込んでしまっている
- 物理的な条件や環境の改善(外発的動機づけ)のみに終始している
- 施策のやりすぎ、「エンゲージメント疲れ」
エンゲージメントを高めようとすると、1on1の対話スキルやマネジメントスキルなどに走りがちです。それが「エンゲージメント疲れ」に繋がりもします。しかし 小手先だけのテクニックでは、人の心は動きません。 その人をどう見てどう捉えるかというベースがあって、はじめてテクニックが役立ちます。
エンゲージメントを高める取り組みに必要なポイントは、 いかにしてやる気を引き出すか です。
PHP研究所でエンゲージメントが高く、社員が主体的に働いている組織を調査・分析した結果、2つの特徴があることがわかりました。また、これらは松下幸之助の言葉の中にも同様のものが残っています。
それが、以下にある 「エンゲージメントを高める2つのカギ」 です。
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