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連載:第18回 総合

スタートアップとの協業、大企業の狙いは新規事業・先進技術など“イノベーションの果実”か

BizHint 編集部 2022年12月2日(金)掲載
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大企業では手掛けにくい斬新な商品・サービス・事業を展開する「スタートアップ」が、IT領域の拡大とともに急成長し続けています。独特の価値観や人脈などから村社会に例えられることもあれば、若々しくエネルギッシュな活動から広く注目を集めることも。従来企業はスタートアップとの協業をどのように考えているのでしょうか?

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スタートアップ企業との協業・支援・交流関係

具体的な取り組みは「技術提供・技術交流」「営業支援」など

日本能率協会(JMA)では、『日本企業の経営課題2022』調査の一環として、大企業(従業員数3,000人以上)、中堅企業(従業員数300人以上~3,000人未満)、中小企業(従業員数300人未満)の規模ごとに、「スタートアップ企業との協業についての取り組み状況」をまとめています。

まず、「スタートアップ企業との協業・支援・交流関係」を聞くと、全体では「協業している」19.4%、「協業はしていないが支援・交流している」11.6%、「検討中」17.1%となっています。企業規模別で見ると、大企業では「協業している」40.0%、「協業していないが支援・交流している」18.6%まで高まります。「協業・支援・交流しておらず、検討もしていない」は24.8%にとどまりますが、逆に中堅企業と中小企業は6割ほどを「協業・支援・交流しておらず、検討もしていない」が占めます。

協業・支援・交流の具体的な内容(業種別)

協業・支援・交流の具体的な内容(協業状況別)

協業・支援・交流している214社に「協業・支援・交流の具体的な内容」を聞くと、製造業では「技術提供・技術交流」が8割以上を占めますが、非製造業では「営業支援」が4割以上となっています。全般的に「資金提供」「人的支援・人的交流」も積極的で、協業している企業ほど広く注力しています。

スタートアップ企業との交流のきっかけ

協業・支援・交流・検討している332社に「スタートアップ企業との交流のきっかけ」を聞くと、「経営者や幹部の人脈」51.2%が最多で、「金融機関を通して」37.7%、「取引先を通して」34.3%と、身近なリアルの交友関係が続きます。一方で企業規模別でみると、大企業は「専門コンサルタントを通して」「スタートアップ企業との接点づくりのための交流会」が高く、企業側からのビジネスアプローチが目立ちます。

スタートアップ企業との協業・支援・交流理由(企業規模別)

スタートアップ企業との協業を適切に推進するためのポイント(企業規模別)

「スタートアップ企業との協業・支援・交流理由」では、「新規事業の開発」66.6%、「自社にない先進技術の獲得」53.3%、「既存事業の強化」46.1%が上位で、大企業ほどこの傾向が強めです。また「スタートアップ企業との協業を適切に推進するためのポイント」では、「お互いの目的・ビジョンの一致」71.1%が最多で、以下「経営戦略との連動」47.6%、「求める成果・目標の明確化」46.3%が続きます。大企業は相対的に「経営戦略との連動」が高めでした。

調査方法

調査期間:2022年7月22日~8月19日
調査方法:郵送調査法(質問票を郵送配布し、郵送およびインターネットにより回答)
調査対象:JMAの法人会員ならびに評議員会社、およびサンプル抽出した全国主要企業の経営者
調査数:計5,000社(回答数689社・回答率13.8%)

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000016501.html

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