連載:第20回 食品
進まない飲食店のDX、評価は10段階中「2」で無関心な飲食店も3割超に
DX(デジタルトランスフォーメーション)の波は、B2B領域だけでなく広く一般向け業種にも広がっています。特にコロナ禍で苦境に立つ飲食業界は影響が大きいとみられ、一般社団法人レストランテック協会では2022年から「飲食DX動向調査」を開始しました。しかし現状はあまり明るいものではないようです。
DXに無関心・否定的な飲食店舗は半数超え
レストランテック協会とファンくる(運営:ROI)の共同調査によると、日本における飲食業界のDX進捗度を評価した「飲食DX指標」は、10点満点中2点と非常に低く評価されました。こうした状況はDXの必要性やメリットが具体的に把握できていないためと考えられます。
飲食店勤務の人たちに「DXが必要かどうか」を選択式で聞くと、最多は「あてはまるものはない」33.9%。3店に1店がDXに無関心なようです。また「重要ではなく、取り組まなくていい」5.5%、「重要だが、必要をあまり感じていない」17.0%の否定派を合わせると、無関心派+否定派が半数を超えます。「具体的なDXの取り組み状況」においても無関心派+未着手派が半数を超えており、「取り組んでいて効果を実感している」とした人はわずか4.5%でした。
具体的なサービスごとに「DXの進捗状況」を聞いてみると、「かなり進んでいる+やや進んでいる」が多かったのは「会計・決済」48.4%で、「予約管理」46.6%、「売上管理」41.3%がそれに続きます。「モバイルオーダー」「予約管理」「受発注」も多めですが、今後は「調理」「接客」など、飲食業界ならではのDXの伸びがカギを握りそうです。なお「DXにより改善したこと」では「業務効率化」52.2%、「売上向上」47.8%が特に高めでした。
一方「DXに取り組むハードル」では「コストが高い」37.8%が最多になっており、「自社に合うサービスか分からない」30.8%、「DX人材の確保・育成」25.2%を大きく上回っています。そこで「1店舗当たりに割いているDX予算」を聞いてみると、「月10万円以下」29.6%が3割を占めており、「11~20万円」14.8%、「21~30万円」12.3%が半数を占めました。企業の予算としてはかなり絞り気味と感じられますが、今後については「増額する予定」とした企業も3割超となっています。
なお店舗を利用するユーザー側は、半数超がDXの普及を望んでおり、利便性の高まりを期待しているようです。そして「普及してほしいサービス」では「デリバリー・テイクアウト」「モバイルオーダー」に希望が集まりました。
調査方法(飲食店)
調査期間:2022年10月17日~19日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20~50代の飲食店勤務の男女
調査人数:511人
調査方法(ユーザー)
調査期間:2022年11月8日~12日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20~60代の男女
調査人数:1,110人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000072734.html
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