連載:第32回 医療・医薬・健康
医療従事者も契約書管理に苦戦? 医療機器の保守・リース契約の更新漏れが半数で発生
医療の現場でも、通常の企業と同じくさまざまな契約が発生します。医師や看護師との雇用契約のほか、リネン類の業務委託、特殊な検査や処理のための業務委託、施設の賃貸といったものがまず考えられるでしょう。さらに検査・治療のための機器は保守が欠かせませんし、ものによってはリース契約で利用するパターンも多いと思われます。医療現場における契約書管理はどうなっているでしょう?
「医療機器に関する保守契約・リース契約」の扱いがカギ
AI契約審査プラットフォームを手掛けているLegalForceの調査は、医療従事者を対象にした調査を実施(回答者334名)。まず「契約書の保管方法」を選択式で聞くと、「紙の契約書をキャビネット・倉庫で保管(台帳なし)」48.5%がほぼ半数を占めており、それに「紙の契約書をキャビネット・倉庫で保管(台帳あり)」29.2%が続き、非デジタルなやり方が8割近くを占めていました。それに続くのも「PDF化して保管(台帳あり)」11.2%、「PDF化して保管(台帳なし)」6.4%と、システム化できている現場は1割にも達していません。
こういった状況だと、自動的に契約期限・解約期限を通知する、といったことはかなり難しいでしょう。実際「解約期限に気づかず、自動更新されていた経験の有無」では41.0%が「ある」と回答しています。また「更新が必要な契約を見落とし、更新できなかった経験の有無」でも19.5%が「ある」としており、これはかなり大きい割合と思われます。
そこで「期限に気付かず、自動更新された契約の種類」を経験者137人に聞くと、最多は「医療機器に関する保守契約・リース契約」75人で半数超。「従業員などの雇用契約」「リネン・清掃・食堂など施設運営に関する業務委託契約」が47人の同数で続きます。
一方「期限に気付かず、更新されなかった契約の種類」を経験者65人に聞くと、これも最多は「医療機器に関する保守契約・リース契約」29人が断トツで、「派遣会社や人材紹介会社との契約」8人が続いています。
もともと医療機関において「医療機器に関する保守契約・リース契約」の絶対数が多いためと思われますが、状況によっては医療行為に支障が出る可能性もあり、重要度も高いはずだと考えられます。一方で紙ベースの契約管理でオンライン化も進んでおらず、契約の確認において「原本を確認するために出勤する(したことがある)」29.6%、「契約管理担当者が出勤する」24.3%という現場は、合わせて半数を超えていました。さらには「原本を確認することはない」は30.8%も存在しており、テレワークスタイルとの相性の悪さが目立つ結果となりました。
調査方法
調査期間:2022年2月5日~6日
調査方法:インターネット調査(調査機関:クロス・マーケティング)
調査対象:契約書を扱ったことがあると回答した医療従事者
調査人数:334人
プレスリリースhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000205.000036601.html
https://lp.legalforce-cloud.com/rs/585-ZXJ-799/images/LegalForce_iryo_pr2203.pdf
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