連載:第38回 医療・医薬・健康
介護・医療機関のインボイスへの登録状況、「登録する予定はない」が2割近く
「インボイス制度」のスタート(2023年10月)がいよいよ迫ってきました。適格請求書の発行・受け取りがスムーズに運用できるよう、さまざまな業界・業種・事業者で準備が進んでいます。ペーパーロジックでは「介護・医療業界」に焦点を当て、インボイスの登録状況を調査しています。
インボイス登録の状況、3割近くに遅れ
この調査では、介護・医療機関の法務・経理・総務部門に所属している103人から回答を得ています。まず「現在インボイス制度への準備は行っていますか」と聞くと、「準備は完了している」30.1%、「完了していないが、準備を積極的に進めている」32.0%、「あまり準備を進められていない」15.5%、「まったく準備を進められていない」15.5%と、3割近くが対応に遅れを見せています。
準備として取り組んでいる内容では、「登録申請書の作成」「請求書項目の確認」が同率70.3%でトップ、「取引先への通知」53.1%がそれに続きます。
インボイス登録事業者になる理由・ならない理由
一方、「勤め先の企業は、今後、インボイス登録事業者になる予定はありますか」と聞くと、「すでに登録済」49.5%、「登録していないが、予定はある」23.3%とともに、「登録する予定はない」19.4%と、2割ほどが見送りを決めています。
登録済+予定はあるという75人に「勤め先の企業がインボイス登録事業者になる(登録事業者になった)理由」を聞くと、「課税事業者と今後も予防接種等の取引を続けていきたいから」49.3%、「多くの企業から健康診断や予防接種等を受託しているから」45.3%、「買い手が、仕入税額控除ができないことによるトラブルをなくしたいから」41.3%が上位でした。検診や予防接種の“定期的なお付き合い”が重視されているようです。自由意見では「会社命令だから」「顧問会計士のアドバイスにより」などの理由もあがっていました。
逆に、登録する予定はないという20人に「勤め先の企業がインボイス登録事業者にならない理由」を聞くと、「値引き対応の方が効率が良いから」15.0%、「発行依頼に労力がかかるから」「保存・管理に労力がかかるから」「発行のための人員が足りないから」各5.0%が上位でした。自由意見では「免税業者」「主要取引先に必要がない」などの理由もあがりました。
調査方法
調査期間:2022年5月25日~26日
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査対象:2022年に消費税の課税売上が1000万円を超えた介護・医療機関の、法務・経理・総務部門に所属しているビジネスパーソン
調査人数:103人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000082.000023701.html
https://paperlogic.co.jp/news_20230609/
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