連載:第40回 医療・医薬・健康
現場の医療DX、推進に必要なのは「医師やスタッフのリテラシー向上」
医療分野でも進むDX(デジタルトランスフォーメーション)。実際に医療関係者の間でも、業務効率化や医療品質の向上などに対する期待が高まっています。一方で自身の勤務先や医療業界全体で見ると、まだまだこれからというのが現状でしょう。そこで医療関係者2,109人にアンケートを実施しました。
医療DXに関心や期待は大きいが取り組みはまだ進まず
メディカル・プリンシプル社によるアンケートによると、まず医療DXの理解については、「理解している(よく理解している+なんとなく理解している)」32.2%、「理解していない(あまり理解していない+まったく理解していない)」50.1%と、理解していない人のほうが上回っています。
医療DXの進捗状況について聞くと、勤務先(医師・初期研修医のみ)では「どちらともいえない」29.7%が、医療業界全体(医学生も含む全体)では「あまり進んでいない」32.6%が最多でした。「進んでいる」と回答した人は、医療業界全体よりも自身の勤務先の方が進んでいると考えている傾向が見られます。
そこで、勤務先で医療DXが「進んでいる」と答えた320人にその理由を聞くと、「導入したツール・システムを現場が使えている」が最多。以下「余計な時間を短縮できている」、「医療データが活用できている」といった声が続きました。
逆に勤務先で医療DXが「進んでいない」と答えた1,248人にその理由を聞くと、「コストがかかる」が最多。以下「医療DX推進部署・プロジェクトチームが存在しない」、「DXにともなうシステム・ツールを扱える人材が不足」が続きます。コストの高さだけでなく人材不足や理解不足も停滞の理由のようです。ただし回答者の7割上が勤務先・医療業界全体に対して「医療DXを推進すべき」と考えているとのことです。
「勤務先の医療DX推進にあたり必要なこと」を医師・初期研修医に聞くと、「医師やスタッフのリテラシー向上」634票が「セキュリティ対策の強化」590票を上回り1位でした。3位の「専門チームの設置」433票よりもこの2点が急務だと現場は考えているようです。
調査方法
調査期間:2024年4月18日~20日
調査対象:「民間医局」会員の医師・初期研修医・医学生
調査人数:2,109人(医師1,600人、初期研修医224人、医学生285人。男性1,460人、女性544人、答えたくない105人)
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003767.000003670.html
https://connect.doctor-agent.com/research/research-51/?utm_source=pr&utm_medium=textlink
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医療・医薬・健康
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