ECサイトで重視すること、「商品価格」が「セキュリティや安全性」を上回る

BizHint 編集部 2022年1月13日(木)掲載

コロナ禍により拡大が加速したネットショッピング。以前の主流はファッションやITガジェットでしたが、いまや食品や高級品も、当たり前に扱われるようになっています。これに比例して、ネット詐欺の問題なども発生し、サイトの信頼性が重視されるようになりました。現時点で消費者は、ECサイトにどのように接しているのでしょうか？

ECサイトのセキュリティや個人情報保護、9割以上の利用者が意識

中小企業個人情報セキュリティー推進協会では、ECサイト利用者539人を対象に調査を行っています。それによると、「ECサイトの“信頼性”に不安を感じた経験がある」という人は、「かなりある」30.4％、「ややある」47.1％で8割近くに達していました。

その理由については、「運営元が海外」52.6％、「運営元を知らない」47.6％、「決済画面のチープさ」44.3％が上位となりました。また「プライバシーポリシーの記載がない」41.4％が多く、一般ユーザーにもある程度、詐欺的なサイトの見抜き方は浸透しているようです。

自由回答でも「HPの案内や商品紹介の文面の日本語があきらかにおかしい」「値段が安すぎる」「支払方法が前払いの振り込みのみだった」、さらには「大手以外は信用できない」という意見がありました。一方で、「届いたものが壊れていたなどが散見されるレビューがあるショップの出店を許している」など、著名サイトでも信用できない業者がいることが指摘されています。

「利用するECサイトを選ぶ際に、そのサイトのセキュリティや、個人情報保護についての対応がされているかどうかを意識していますか」と聞くと、「かなり意識している」35.3％、「やや意識している」45.6％と、9割以上が意識していました。

サイト利用の際、どういった項目をチェックしているかを聞くと、「サイト内のクチコミや利用者投稿」62.4％、「GoogleやYahoo!などで検索した噂や評価」59.6％、「サイト内にある特定商取引法に基づく表記」52.8％などが上位となりました。

また「セキュリティ対応や個人情報取扱いが不安で購入を躊躇する理由」を具体的に聞くと、「個人情報が流出しそうだから」70.1％、「購入以外の目的でも連絡されたり利用される可能性があるから」55.5％、「信頼性がかけ、商品の質も不安に感じるから」55.1％がいずれも半数を超えています。

ECのメリットは「すぐに欲しいものを見つけられる」「配送で手元まで届く」

ECサイトのセキュリティ個人情報保護に9割以上の利用者が注意を払っていることがわかりましたが、一方で、危険そうな怪しいサイトであっても買い物してしまうユーザーが一定数存在します。

そこで「ECサイトでの買い物のメリット」を聞くと、「すぐに欲しいものを見つけられる」29.5％、「配送で手元まで届く」22.1％が上位になるとともに、「ECサイトで買い物をする際に重視する点」では、「商品の価格」65.5％が「セキュリティや安全性」53.8％、「クチコミ評価」50.1％を上回りました。やはりついつい価格につられて、安全性やクチコミを無視して買い物してしまう人が多いようです。そのほか自由回答では「返品の利便性」「クーポン」「商品の豊富さ」といった意見もありました。

なお「ECサイトでモノを買う際に、だいたい何種類くらいのサイトを比較検討しますか」という質問では、「10種類以上」12.8％、「8種類～9種類」8.5％と、徹底的に比較検討していることもうかがえました。ECサイト利用というと、利便性がもっとも注目されますが、実店舗以上に徹底的に時間をかけて、複数の店舗（サイト）を比較している人も多いようです。