連載:第11回 【海外人事ニュース】
【海外人事ニュース】低パフォーマンス人材への対処/子育て世代へ支援をどう充実させるか/「燃え尽き症候群」対策は?
海外企業が子育て世代への支援をどう行っているのか。燃え尽き症候群への対策事例、低パフォーマンス人材の対処をどうしているかなどの事例をお届けします。
BizHintHRでは海外で発表された人事関連ニュースの配信を行っております。
今週の海外人事ニュースをお届けします。
企業は子育て世代に対してどんな支援をすべきか
仕事と子育ての両立は難しい
「子どもが産まれた」と社員から報告を受けるのはどの企業でもある話。おめでたい話ではあるが、第一子を育てている夫婦には「試練の始まり」と感じる方も多いという。
実際、本当は家庭で子育てに専念したいけれど、「家計の事情で働かざるを得ない」という女性もいる。反対に「働きたい」と思っていても、預けるのが心配で働けない人もいる。
男性も「わが子との時間を大切にしたい」と思いつつも金銭的な理由から「残業の多い仕事を続けるか否か」を悩む人も多い。
企業の人事は、子育て世代の社員にどんな支援ができるのか。
米国のHR関連メディアTLNTで、グローバル人材紹介会社キャリアシフト副社長のヴァル・マッタ氏は子育て世代を支援するための3つのヒントを示している。
フレキシブルな働き方の実現が生産性を上げる
子育て世代にとって、働く上で重要な要素は「給与」だけではない。近年、給与よりも「フレキシブルな働き方」の重視する人が増えている。
その一方でフレキシブルな働き方の容認は、社員が緩慢になることを憂慮する声もある。
米セントルイス連邦準備銀行の実施調査によれば、子どものいない女性社員よりも、妊娠中や子育てをしている女性社員の方が「仕事の生産性が上がる」という結果が示されている。子育て世代にとっては子どもの方が大切であり、そのために仕事を効率よく終わらせるのである。
企業の業態や業種によって、社員の求める「フレキシブルな働き方」は異なる。経営陣や人事は、社員が何を求めているのか見極める必要性がある。
仕事上のストレスマネジメントを行うこと
米ピューリサーチセンターが、働く子育て世代を対象に実施した調査によると、母親の60%、父親の52%が「仕事と家庭の両立は難しい」と答えている。
マッタ氏は、「多くの子育て世代がストレスマネジメントを行えていないのが要因」と指摘する。
仕事の合間に休憩を取ることを呼びかけること。社員が外に散歩に出たり、ランチタイムに子供の学校の用事を済ませることを可能にするだけで、ストレスの度合いは変わってくる。
コストをかけずにストレス解消のために企業ができる取り組みはたくさんあるはずだ。
休暇制度の充実もモチベーションアップに
有給休暇や育児休暇の付与も子育て世代社員にとって支えになる。
有給休暇は子どもが病気のときや学校行事の参加に重宝されている。2013年に米カリフォルニアで行われた調査によれば、育児休暇を取得した女性社員は、妊娠中に退職した女性社員よりも、出産後9か月~1年後に仕事に復帰する可能性が高いという。
休暇制度が充実していれば、「子どもが産まれても仕事に復帰しよう」というモチベーションを維持できる。休暇制度を充実と社員への周知がその第一歩となる。「社員を企業の歯車ではなく、一人の人間としてケアをしてサポートを行うことは、企業にとっても子育て世代社員にとっても人事自身にとっても満足いく働き方となる」とマッタ氏は述べている。
「燃え尽き症候群」防止のために米国企業がやっていること
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