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連載:第14回 経営危機からの 復活

二度とやらないと誓ったリストラなのに。会社価値と同額の「小銭」を目にして腹を決めた

BizHint 編集部 2021年4月1日(木)掲載
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「胸を張ってお話しする内容ではないけれど」と前置きする株式会社ビジョンメガネ 取締役社長 安東晃一さんに、民事再生からのV字回復の裏側を伺います。会社存続のために実行される数々の取り組みの前に、まず向き合わなければならなかったのは、二度とやらないと誓ったはずのリストラでした。

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株式会社ビジョンメガネ
取締役社長 安東 晃一さん

1972年、大阪府生まれ。大阪国際大学卒業後、96年に新卒でビジョンメガネへ入社。店長等を経て、2011年に販売会社である株式会社ビジョンメガネの代表取締役社長に就任。2013年、親会社となる株式会社ビジョン・ホールディングス代表取締役社長に就任するも、その2週間後に会社は民事再生法適用を申請、翌年8月に終結。社内改革は実を結び、2015年には営業利益を約3億5千万円まで回復させる。


始まった民事再生。二度とやらないと誓ったリストラなのに……

――民事再生の過程で一番辛かったことを教えて下さい。

安東晃一さん(以下、安東): やはり、リストラですね。私は解雇する側として、これまで2度のリストラを経験しています。

1度目は2009年、上場廃止の時です。当時、私は執行役員として、リストラする社員の選定メンバーでした。その際、手渡された名簿を見てハッとしました。私が店長だった時代に直接教えた社員がリストアップされていたのです。

名簿には「○△×」の三段階で評価がなされていて、その社員は当落線上の△でした。成績に基づいた極めて公正な基準です。会社に残してあげたかったのですが、個人的な感情は入れられません。ひとりが残れば、他の誰かが必ず解雇されます。結局、その社員には辞めてもらうことになりました。

リストラは本人だけでなく、家族やその周囲の多くの人を傷つけます。 その時、『リストラは絶対にやってはいけない、絶対にやらない』と心の底から誓ったはずでした。

しかし民事再生を前にして、二度目のリストラをやらざるを得ない。 社員全員の雇用よりも、会社の存続を選ばねばなりません。両方は、守れないのです。

辞めてもらう社員には、会社を残すためにこの選択肢しかないことを伝えました。罵声を浴びせられてもおかしくない状況でした。

しかし、私の心のどこかに「ビジョンメガネに残る方が苦しいかもしれない」という猜疑心もありました。 再建が順調に行く保証など、どこにもない のです。もしかしたら、 会社を辞めた方が素晴らしい人生を送れるかもしれない……。 社員の将来を考えると、葛藤しかありませんでした。

弁護士には「ここまでリストラをやりながら、社員からの異議申し立てや揉めごとが少ない企業はあまりない」と言われました。変な言い方ですが、 表も裏も、社員は本当にいろいろなことを理解してくれていたのだな…… と、胸が苦しくなりました。

胸ポケットから出された「小銭」。会社の価値を取り戻す決意

――民事再生の過程で特に印象的だったことはありますか?

安東: 事業譲渡にあたって、ビジョンメガネの価値は会計上の「備忘価額」になっていました。

そして設けられた、新たなスポンサー企業への事業譲渡契約の席。そこで起こったことは本当に忘れることはないでしょう。ドラマでも見ているかのような、ドラマでも見ないような光景でした。

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