連載:第3回 成功する事業承継
トップダウンからピラミッド型、そして自律型組織に変えるには
1952年に創業した日用品メーカーである平安伸銅工業の3代目社長・竹内香予子さんは、父親である先代から家業を承継。先代が開発した大ヒット商品である「突っ張り棒」を主軸に、これまでに培った技術と組織のあり方を見つめ直し、時代に合わせた新しいヒット商品を生み出してきました。事業承継から改革を軌道に乗せるまでをうかがった前回に引き続き、今回は竹内さんがさらなる発展を目指し、目下進めている自律型組織への変革プロセスについてお聞きしました。
平安伸銅工業株式会社
代表取締役 竹内 香予子さん
大学卒業後、産経新聞社に入社し、記者として警察・行政取材を担当。2010年に家業である平安伸銅工業に入社。翌年から取締役となり、2015年に社長に就任。父親である2代目が日本に普及させた大ヒット商品「突っ張り棒」の技術と知見を活かし、プロダクトデザイナーとの協働でデザイン性の高い収納用品を開発。市販の木材と組み合わせるDIYパーツ「LABRICO」や突っ張り機能を生かした家具「DRAW A LINE」などのヒット商品を多く生み出している。
トップダウンからピラミッド型、そして自律型組織への挑戦
――家業を継承し、ヒット商品も出て軌道に乗っている中、さらなる組織改革に取り組んでいると伺いました。
竹内香予子さん(以下、竹内): 先代の父はずっとトップダウン型の経営を行っていましたが、私はまず継いでから部門ごとに指示系統や役割を分担するピラミッド型の組織をつくりました。ただ、ピラミッド型の弊害もあります。 「メンバーの主体性を発揮することができない」「一人ひとりの才能を活かしきれない」などの課題が見えてきた のです。
ピラミッド型組織は結局、トップダウンと同じで、上から下りてきたことの伝言ゲームになりがち。メンバーそれぞれが強みを持っているにもかかわらず、私や主人など経営メンバーが「やろう!」といったことをやるだけ。それぞれがアサインされている役割を全うすればいいという形では、結局メンバー一人ひとりの強みを活かしきれないのです。
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バックナンバー (3)
成功する事業承継
- 第3回 トップダウンからピラミッド型、そして自律型組織に変えるには
- 第2回 安定しているがゆえに変わりづらい。突っ張り棒メーカーの女性社長が悩みながら進めた組織改革
- 第1回 「指示待ち・負け癖」の社員たちを変えた、三代目社長の覚悟