連載:第24回 総合 2020年1月~3月
期待が集まる新技術はナノテクノロジーや介護ロボット、利便性よりも健康サポートを重視
インターパブリック・グループのグローバルメディアグループ、IPGメディアブランズ(東京都港区)は、15~74歳の2,400人を対象に「Media in MindTM 2019 デジタルメディア調査」を実施しました。ニュースなどで話題になる自動運転車やAI住宅、IoT家電などの利便性を向上させるテクノロジーよりも、医療技術や介護ロボットなど、健康サポートに関わる新技術に多くの世代が期待しているようです。
2030年頃までに実現・普及が期待できる技術の認知は約8割以上
すでに実用化されている技術も含まれてはいますが、2030年までに実現・普及が期待されている技術の認知は全体的に高い結果となりました。
女性の認知は男性よりも低い傾向にあり、とりわけ、AI住宅やウェアラブル端末は、女性での認知が男性と比べて10ptほど低い年代層もあります。結果として、これらの認知は全体の中で低めとなりました。
健康をサポートする技術への期待が高い傾向
期待度の高い技術上位3つは、「医療技術(ナノテクノロジー)」「医療技術(iPS細胞、ゲノム編集)」「介護ロボット」です。「完全自動運転車」や「AI住宅」「IoT家電」といった生活を便利にしてくれる技術よりも、健康をサポートしてくれる技術への期待がより高い結果となりました。
完全自動運転車や日常会話のできるロボット、空飛ぶ自動車といった、映画やアニメの世界のモノだったものが今や実現可能になってきている中、これらへの期待度は相対的には低く、医療や介護など、いわば人の生命を維持・サポートする技術への期待が高まっています。
また、上位には「翻訳・通訳技術」や「農業ロボット」がランクインしています。これらは、労働人口の減少が社会問題となっている中、外国人就労者によるダイバーシティ化が進み、日本国内でさえも外国語でのコミュニケーションが必要になってきていることや、農家の人手不足の解消への期待などが影響を与えていると考えられます。
未来の技術に対しても、あくまで人間の基本的欲求を満たしてくれる技術や社会問題への解決策となる技術のほうが、期待が高いようです。
健康関連技術はどの世代からも期待されている
性年代別にみてみると、いずれのセグメントにおいても、医療技術や介護ロボットが上位にランクインしていますが、スコア自体は年齢が上がるにつれて上がる傾向にあります。10年後、医療や介護の必要性が高まる年代ほど期待も大きいと考えられるでしょう。
さらに、コレスポンデンス分析によって、各セグメントによる特徴を分かりやすくすると、AI住宅、IoT家電、ウェアラブル端末など個人の生活を便利にしてくれる技術に対しては、20~40代の期待が高く、空飛ぶ自動車や宇宙開発など、実用化は2030年よりももう少し先と思われる次世代技術に対しては、10代の期待が高いことがわかりました。
調査概要
- 調査期間 2019年11月22日~25日
- 調査方法 インターネット調査
- 調査実施機関 株式会社マッキャンエリクソン 株式会社クロス・マーケティング
- 調査対象者 関東・関西在住の15~74歳のインターネットユーザー 全2,400名
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000027750.html
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