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連載:第17回 総合 2020年1月~3月

【役員報酬サーベイ】社長報酬水準は0.9%上昇、CEO選解任基準の整備が進む

BizHint 編集部 2019年12月3日(火)掲載
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デロイトトーマツグループは、日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度の導入およびコーポレートガバナンスへの対応状況の実態調査『役員報酬サーベイ(2019年度版)』の結果を発表しました。本調査によると、社長報酬総額の中央値は9,946万円となり、前年よりも0.9%上昇しており、年々上昇傾向にあります。また、コーポレートガバナンス・コードの改訂を受けて、企業内でCEOやその他役員の選任・解任基準の整備が進んでいるようです。

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社長報酬はわずかに上昇、年々上昇傾向に

売上高1兆円以上の企業における社長の報酬総額は、中央値で9,946万円となり、前年の9,855万円と比較し+0.9%とわずかですが上昇しています。数年前と比較すると、年々上昇傾向にあるようです。

役員評価施策を実施する企業が増加

明文化された役員評価制度を有する企業は、全参加企業のうち228社(24.6%)でした。また、明確な評価制度は存在しないものの、何らかの評価基準が存在する企業は391社(42.1%)で、合わせて619社(66.7%)の企業において役員の評価施策が実施されており、昨年の51.9%より14.8ポイント増加しています。

短期インセンティブ報酬を採用する企業数はほぼ横ばい

短期インセンティブ報酬を採用している企業の割合は69.8%(648社※1)と昨年の水準とほぼ変わっていません。一方で、採用されている短期インセンティブ報酬の種類を見ると、前年の業績等に応じて翌年の定期同額給与(※2)に反映する「変動報酬の固定報酬化」を導入している企業の割合が対前年比7ポイント減少したのに対し、「業績連動給与(※3)」の割合が同6ポイント増加しています。月額報酬に反映するのではなく年に一度まとまった報酬を支給する制度へシフトする企業が増えているようです。

ただし、昨年度に引き続き「損金不算入型の賞与」を導入している企業が最も多いことから、多くの企業が設計の柔軟性を重視した制度を採用していることがうかがえます。

長期インセンティブ報酬を導入している企業は約6割

株式関連報酬(長期インセンティブ報酬)を採用している企業の割合は60.2%(559社※4)と昨年の44.9%から15.3ポイント増加しました。

採用されている長期インセンティブ報酬の種類では、「株式交付信託(信託の設定による株式付与)(147社)」が、昨年首位だった「通常ストックオプション(131社)」を抜いて最も多い結果となっています。また、「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)(116社)」の導入企業数は昨年から6.1ポイント上昇しており、現在の導入状況ならびに今後の導入予定ともに高い水準です。

長期インセンティブ報酬においては、今後導入を検討している制度の数値も踏まえると、引き続き譲渡制限付株式と株式交付信託の導入が進むと見込まれます。

※1:「短期インセンティブの有無」において「短期インセンティブあり(導入している)」を選択した企業、及び「変動報酬の固定報酬化の有無」において「あり」を選択した企業
※2:法人税法第34条第1項第1号に規定
※3:法人税法第34条第1項第3号に規定
※4:「長期インセンティブの有無」において、通常ストックオプション、株式報酬型ストックオプション、有償ストックオプション、譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)、パフォーマンス・シェア・ユニット、信託の設定による株式付与、その他現物株いずれかの株式関連報酬を採用している企業

任意の報酬委員会設置が進むも、開催回数は少ない

指名委員会等設置会社を除く910社のうち、任意の報酬委員会を設置している企業の割合は49.0%(446社)と前年より9ポイント増加しています。まt、任意の指名委員会を設置している企業の割合は42.9%(390社)と、こちらも前年より約9ポイント増加です。

任意の報酬委員会・指名委員会の設置率は上昇していますが、年間開催回数は、ともに年1~2回の企業が半数以上を占めています。これは昨年度の水準(報酬委員会で54.5%、指名委員会で52.1%)と大きく変わらず、設置はされたものの形式的な議論にとどまっている可能性があると考えられるでしょう。

CEOの選解任基準を整備する企業が大幅に増加

昨年6月に公開された改訂版コーポレートガバナンス・コードの影響を受け、CEOの選任基準を整備している企業が266社と全体の28.7%(前年比+21.1ポイント)と大幅に上昇しました。

また、CEOの解任基準においても全体の27.7%にあたる257社が整備していて、CEOの選解任に関する手続きの客観性・透明性担保に対応する企業が増加しています。

CEO以外の役員についても、選任基準を整備している企業が380社(40.9%)、解任基準を整備している企業が315社(33.9%)と、前年から増加して4割程度となりました。

指名基準に関連して、後継者計画を整備している企業は、CEOは全体の159社(17.1%)、その他役員は117社(12.6%)でした。今後整備する予定の企業も含めると、CEOは604社(65.1%)、その他役員は559社(60.2%)と徐々に後継者計画の整備が見込まれています。

調査概要

  • 調査期間 : 2019年7月~2019年9月
  • 調査目的 : 日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度やガバナンス体制、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況等の現状に関する調査・分析
  • 参加企業数 : 928社(集計対象役員総数 17,052名)。上場企業901社(うち東証一部614社)、非上場企業27社
  • 参加企業属性 : 製造業412社(うち医薬品・化学90社、電気機器・精密機器89社、機械63社等)、非製造業516社(うちサービス105社、情報・通信101社、卸売83社 等)

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000257.000000202.html

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