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連載:第5回 会える人事【戦略人事による人事のためのセミナー 取材レポート】

【オリエンタルランドが描く人事戦略】顧客満足度を追及するために行ったのは「従業員が安心して働ける環境づくり」

BizHint 編集部 2019年6月21日(金)掲載
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東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランド。オリエンタルランドといえば、2016年に契約社員を「社員化」したことが大きなニュースになりました。社員化に踏み切った背景とその効果とは? そして、オリエンタルランドが今後求める「人財像」を、人事部長を務める横山政司さんに聞きました。本記事は、2019年4月16日に行われた戦略人事による人事のためのセミナー「会える人事Premium」の横山政司さんの登壇講演をベースに構成しています。

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株式会社オリエンタルランド

人事本部 人事部長 横山 政司さん

1991年、東京学芸大学教育学部卒業。同年、株式会社オリエンタルランド入社。アトラクションの時間帯責任者、上場準備、IRを担当し、2003年にマネージャー就任。その後、テーマパーク戦略、経営戦略、採用等のマネージャーを歴任し、2015年より人事本部人事部長(現職)。主に社員人事制度の企画・運用、採用、教育を担当している。


「契約社員の社員化」に踏み切った背景

オリエンタルランドは、 2016年に、821人の契約社員を社員に登用しました。

契約社員の社員化に踏み切る大きなきっかけとなったのが、今から6年前、東京ディズニーランドが30周年を迎えたときのことです。

このアニバーサリーイヤーに、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた年間入園者数が初めて3,000万人を突破。パークは大盛況となりました。入園者数が大台に乗ったのは大変嬉しいことですが、新しいアトラクションや施設がオープンしたわけではないため、パークは物理的に大混雑。入園するまでに大行列ができてしまうこともありました。

我々の願いは、お客様が帰る際に「もう一度来たい」と思っていただくこと。そのため、 「パークの混雑を緩和してお客様の満足度を高める」ことがオリエンタルランドとしての大きな課題になったのです。

まずは、すぐにパーク拡張による混雑緩和のプランを打ち出しました。しかし、キャパシティだけ大きくしてもお客さまの満足度をより向上させていくことは難しい。企業としても収益を上げていくことは難しいでしょう。つまり、 ハードだけでなく、“ソフト”の部分も両輪で高めることが極めて重要。 そのため、ハードの部分であるパークの拡張とともに、ソフトの部分として「オペレーション力の向上」と「ホスピタリティ力の向上」にも取り組むことにしました。

例えば、オペレーション力の向上により「1時間あたり1,000人」楽しめていたアトラクションが、「1時間あたり1,100人」となれば、より多くのゲストにお楽しみいただくことができます。ホスピタリティ力は、目の前のお客様に対するサービスの向上です。従来からホスピタリティは評価していただいていますが、来園者が増えても高いホスピタリティを提供し続けないといけません。

アトラクションや店舗、パレードの運営を管理しているのは「スーパーバイザー」です。彼らの多くは、毎年契約を更新しながら働いている契約社員でした。雇用形態に不安を抱えている人も多かったのではないかと思います。

そこで、 ソフトの強化として取り組むことにしたのが、「契約社員」が働きやすい環境を整えること。「安心して働ける」「キャリアを描きやすい」環境を提供することで、パフォーマンスを向上させることができるのではないかと考えました。

ちょうど労働契約法改正のタイミングでもあり、会社として事業の成長や安定も目指したいと考え、契約社員として働いてもらっていたスーパーバイザーを“社員”として登用することにしたのです。契約期限は、1年単位から無期に。契約社員全員が希望し821人が社員となりました。

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