連載:第28回 小売・サービス
アドビが日本のデジタル経済動向を調査、日本でも進むオンラインショッピングへの移行
アドビは例年、同社の分析アプリケーション「Adobe Analytics」を用いて、「Adobe Digital Economy Index(DEI)」を算出していますが、今年初めて、日本市場のデジタル経済動向を分析しました。それによると、2021年1~3月の日本の動向は、オンライン化が進んでおり、店舗での消費を避ける傾向にあることが判明しました。
米国・イギリスに比べて緩やかながら、日本でもオンライン消費が拡大
アドビが算出している「Digital Economy Index」は、ECなどのデジタル取引状況を活用したデジタル経済指標です。米国上位100のオンライン小売業者を中心に取り引きを測定し、さまざまな指標を算出していますが、今回はこれに加え、米国・英国・日本の3か国でそれぞれ1,000人の消費者にアンケートも行っています。
まず、日本の2021年1~3月におけるオンライン消費額は、前年同期比15%増の50億ドル超(約5,400億円)となりました。米国の39%増、イギリスの66%増と比べると緩やかですが、日本でもオンライン消費の拡大は進んでいると言えるでしょう。実際、2020年3月以前にオンラインで買い物をしたことがなかった人の80%が、2021年に入ってからオンラインで買い物をしたことが分かっています。
ただし日本では、コンバージョン(サイト訪問から注文への転換率)が前年同期から16%ほど低下しており、訪問数の増加や注文額の増加が帳消しになっています。日本の消費者は、徐々にサイト滞在時間が短くなっており、1回の訪問で閲覧するページ数も、ここ数か月微妙に減少傾向を見せており、引き続き注意が必要でしょう。
「店舗での訪問・購入」への快適度が日本で急落
「スマートフォンからの購入比率」を海外と比較すると、日本は61%に達しており、イギリス、オーストラリア、フランス、米国などより、やや高い傾向を見せています。世代別では、ミレニアル世代65%、X世代(Gen X)48%で、特に若年層がスマホ購入を活用しています。
一方で「店舗での訪問・購入」について快適度を聞くと、日本は「快適でなくなった」が、諸外国より圧倒的に高い数値を示しています。ただしこれは、コロナ禍での非常事態宣言の扱い、ワクチンの摂取率などによるもので、長期的にはまた変化すると考えられます。
なお今回の調査で、日本の消費者の半数以上(52%)が「パンデミック以前の状況に戻ったとしても、オンラインと店舗での消費行動は変わらない」と回答しています。企業は今以上にデジタル対応が迫られると考えられます。
調査方法
調査方法:Adobe Analyticsの分析データを使用し、「Adobe Digital Economy Index(DEI)」を算出。Adobe Analyticsは、米国上位100のオンライン小売業者のうち80社による取り引きを測定
調査対象:1兆回を超えるサイトアクセス数と18の製品カテゴリにおける1億以上のSKU
補完調査:米国、英国、日本の3か国でそれぞれ18歳以上の消費者1,000人を対象に、2021年2月26日~2021年3月2日、2021年3月24日~2021年3月29日に実施
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000041087.htmlhttps://business.adobe.com/jp/resources/reports/003277-digital-economy-index-2021.html
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