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連載:第5回 経営・HRイベントレポート 2018

日本の未来を明るくする、出口式「日本の課題」解決策とは?【立命館アジア太平洋大学(APU)/出口治明学長】

BizHint 編集部 2018年10月3日(水)掲載
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少子高齢化に伴う社会保障制度の破綻危機、介護離職に深刻な人手不足と数多くの課題を抱えている日本。2014年度に行われた内閣府の世論調査では、6割もの日本人が「50年後の日本の未来は現在と比べて暗いだろう」と予測していることが明らかとなりました。このような現状に対し、「知ることから明るい未来がはじまる」と語るのは、ライフネット生命保険株式会社の創業者であり、2018年1月より立命館アジア太平洋大学(APU)の第四代学長を務めている出口治明氏。当記事では、2018年7月30日と8月30日の2日に分けて開催された「HR Cafe’ 2018」の出口氏の講演『日本の課題』から内容をお伝えします。

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物事は「タテ」「ヨコ」「算数」で考える

まず初めにご理解頂きたいのは、 全ての人間は世界を色眼鏡で見ている ということです。誰か特定の人や事象に対して好き嫌いという形で評価が分かれてしまうのも色眼鏡で世界を見ていることの良い例ですよね。

人間は誰しも自分の見たいものしか見ない動物なのです。だから、物事をフラットな状態で評価するためには方法論が要る。 「タテ=昔の人はどう考えていたのか」と「ヨコ=世界の人はどう考えているのか」、「算数=何でも数字で考えてみる」 の3つの視点から世界を見るように心掛けなければならないのです。

夫婦が結婚後に異なる姓を名乗る「夫婦別姓」について「タテ」と「ヨコ」の視点から見てみましょう。僕は中学生の頃に「源頼朝は平(北条)政子と結婚して鎌倉幕府を開いた」と習いました。つまり、昔の日本では夫婦別姓が基本だったということです。そして、OECD(経済協力開発機構)に加盟する先進35カ国の中で法律婚の条件として同姓を強制している国は一つもありません。

このように、「タテ」と「ヨコ」から見ることで「夫婦別姓」が問題視するべき対象ではないことが分かります。よく耳にする「夫婦別姓が家族や日本の伝統を壊す」などの批判は、単なるイデオロギーや思い込みでしかないのです。

次に「算数」の視点を使って歴史を紐解いてみましょう。唐の長安を模倣したとされる平城京と平安京はいずれも途中で作るのをやめていますが、人口とGDP(国内総生産)、建設規模という3つの数字を用いることで未完の都となった理由を簡単に理解することができます。

当時の日本と中国の人口比はおよそ10倍、そして1人あたりのGDPは先進国の中国が日本のおよそ2倍でした。つまり、当時の日本の国力は中国の20分の1となるわけですが、この20分の1の国力で長安の4分1の規模の都の建設を行えば建設途中でお金が尽きてしまうのは目に見えていますよね。平城京や平安京が未完となった理由には諸説ありますが、「算数」の視点でみると完成させることは困難であったということが簡単にわかります。

これからの時代は「オール・サポーティング・オール」

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