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連載:第93回 総合

2021年度の業績見通し、増収増益が27.4%、減収減益が26.0%と拮抗。資金繰りの苦しさは「個人向けサービス業」で鮮明に

BizHint 編集部 2021年4月30日(金)掲載
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国内景気は、新型コロナウイルスの影響により経済活動が左右される状況が続いています。緊急事態宣言は解除され、ワクチン接種や新しい生活様式に対応した需要創出など徐々に明るい兆しも見え始めているものの、一部地域では「まん延防止等重点措置」が適用されるなど、収束の時期は未だ鮮明には見えていません。一方で、2020年から延期となった東京五輪・パラリンピックの開催や5Gの本格的な普及などによる景気回復が期待されています。そこで、帝国データバンクは、2021年度の業績見通しに関する企業の意識について調査を実施しましたので報告いたします。本調査は、TDB景気動向調査2021年3月調査とともに行いました。

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2021年度の業績見通し、増収増益が27.4%、減収減益が26.0%と拮抗

2021年度(2021年4月決算~2022年3月決算)の業績見通し(売上高および経常利益)について尋ねたところ、「増収増益」と回答した企業は27.4%となり、新型コロナウイルスの影響が拡がり始めていた前回調査(2020年3月)の2020年度見通しから13.9ポイント増加しました。一方、「減収減益」は同18.4ポイント減の26.0%と半減しています。2021年度の企業の業績見通しは「増収増益」と「減収減益」が拮抗する結果となりました。

業績見通しを業種別でみると、「増収増益」では自動車・同部品関連の「輸送用機械・器具製造」が40.4%でトップとなりました。次いで、「飲食店」が39.0%で続き、「旅館・ホテル」も34.4%など、2020年度に大きく打撃を受けたサービス業が上位に並びました。
一方の「減収減益」では、2020年度に活況な内食需要によって好調だった総合スーパーなどを含む「各種商品小売」が38.1%で最も高くなりました。また、アパレル関連の「繊維・繊維製品・服飾品」における製造が37.7%、公共工事に支えられ好調だった「建設」が35.8%と上位に並ぶ結果となりました。

業績への上振れ・下振れ材料、ともに新型コロナウイルスと個人消費の動向が鍵に

 2021年度の業績見通しを上振れさせる材料を尋ねたところ、新型コロナなどの「感染症の収束」が45.6%でトップとなりました。次いで「個人消費の回復」が42.9%となり、前回調査(2020年3月)より8.1ポイント増加しました。「公共事業の増加」(20.9%)、財政・金融政策や成長戦略、規制緩和などの「経済政策の拡大」(18.2%)、「中国経済の成長」(14.9%)、「米国経済の成長」(14.0%)が続き、上位の顔ぶれに大きな変化はみられないものの、個人消費の回復を上振れ材料と考える企業の増加が目立っています。
 2021年度の業績見通しを下振れさせる材料では「感染症の拡大」が54.7%でトップとなり、前回調査より減少したものの引き続き突出して高い結果となりました。次いで、「個人消費の一段の低迷」(35.4%)が3割台、「所得の減少」(25.5%)、「行動制限や外出自粛の実施・拡大」(23.9%)、「雇用の悪化」(21.1%)などが2割台で続きました。企業からは、「新型コロナに対するワクチン接種の効果と拡大抑制策により感染を防ぐ事ができれば、経済は立て直せると期待している」(食料・飲料卸売、北海道)や「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によってIT需要が増加している」(ソフト受託開発、東京都)といった前向きな意見がみられました。一方で、下振れ材料としては「樹脂、半導体関係の原材料不足が徐々に顕著になっているので、これが大きな問題になる可能性は高いと考える」(スポーツ用品卸売、愛知県)や「自動車のEV化が進むことで、部品点数の減少により受注が減少すると見込む」(鍛工品製造、広島県)、「半導体不足による製品供給の遅延が懸念される」(新車自動車小売、秋田県)などの意見がみられました。

2021年3月時点の資金繰り、「楽である」が43.2%に対して「苦しい」は13.6%

新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、国内景気や企業活動にさまざまな影響を及ぼしました。そんな中、企業の資金繰りに対しては、2020年3月から始まった政府系金融機関による実質無利子・無担保融資を皮切りに、同年5月には民間金融機関も対応を進めました。さらに、2021年3月には金融庁が新型コロナ関連融資の返済猶予対応を金融機関に要請するなど、資金繰り支援は現在も継続しています。
 そこで、当調査を実施した2021年3月時点の資金繰り状況について尋ねたところ、「楽である」(「非常に楽である」「楽である」「やや楽である」の合計)は43.2%となった。「どちらでもない」は40.6%で同じく4割台となり、「苦しい」(「非常に苦しい」「苦しい」「やや苦しい」の合計)は13.6%となりました。

規模別でみると、大企業ほど資金繰りが「楽である」とする割合は高く、小規模企業を5.7ポイント上回りました。一方で、大企業では資金繰りが「苦しい」企業 は7.9%となっているのに対して、中小企業では14.7%、さらに小規模企業では19.7%へと増加しており、大企業を11.8ポイント上回る結果となりました。

資金繰りが「苦しい」と感じている企業を業種別にみると、「旅館・ホテル」が40.6%で最も高く、「娯楽サービス」が35.8%、「飲食店」が27.1%と高くなっています。これらの業種からは、「雇用調整助成金の特例処置によって、新型コロナ緊急融資を受けた資金が潤沢にあり、概ね3カ月分の売り上げ相当の資金がある」(旅館、愛媛)のような、政策によって助かっているという意見がありました。一方で、「新型コロナ融資の返済開始が近づいており、早く新型コロナから回復しない と一気に保有資金が底をついてしまう」(一般食堂、北海道)や「新型コロナ融資で何とか繋いでいるが、景気改善の兆しが見えないうちは余裕がない」(日本料理店、奈良県)、「税金の支払い猶予や返済融資など政策支援を受けてきたが、景気が良くなったわけではない現状、支払いが迫ってくる。資金繰りは仕事をして利益を生むしかない。これ以上の融資は受けられない」(映画・ビデオ制作、東京都)など、現状の厳しさを表す声も多くあげられました。

調査概要

調査テーマ:2021年の業績見通しに関する企業の意識

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000284.000043465.html?fbclid=IwAR0pLv2pd09PHo2M9bS3CKj_5mH26kniep2DrbYtOk2AmGh0C556Kk4VN3k

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