コーチングの資格10選!取得方法や資格の選び方、費用まで詳しくご紹介
コーチングの資格は、発行する団体や協会により、その目的や教育方針が異なります。今回は、コーチングに関する10の資格を詳細にご紹介するとともに、学ぶことができる団体や協会、そこで受講できるセミナーやプログラム、さらに取得方法や取得団体・スクール等の選び方まで幅広くご紹介します。
コーチング資格とは
それではまず、コーチング資格について詳しく見てみましょう。
コーチングとは
そもそも「コーチング」とは、コーチ(コーチングを行う側)とクライアント(対象者)が対話を重ねることにより、その対象者の目標達成などを支援することを言います。具体的には、目標達成に必要な考え方や視点などへの気づきを見出し、対象者の秘めた可能性を引き出す手法です。それにより、対象者の自発的な行動が促されます。
【関連】コーチングとは?意味や必要なスキル、活用シーン、おすすめ本をご紹介/ BizHint
コーチング資格とは
コーチングの資格認定では、日本国内の民間団体が認定する資格もあれば、文部科学省の外郭団体が関与している認定資格もあります。さらには、国際的な団体が認定する資格も存在します。多くは、民間団体が独自に認定し、発行しているものです。
そのため“コーチング資格”と一言でいっても、団体によってその基準や認定までの条件が大きく異なります。
コーチング資格は国家資格のように法律に基づいて認定されているわけではありません。発行する団体や協会、企業が設定する認定基準や資格の種類、取得者個人のスキルに応じて、そのレベルが変化します。そのためコーチングに関する資格を持っているからといって、一定のコーチングスキルを持つ証明になるわけではありません。
コーチング資格の取得方法
コーチング資格を取得するには、独学、もしくは資格を取得できるスクールや団体の講座に通って学ぶという方法があります。講座では、対面授業やWebなど自身の状況に合わせた様々なスタイルで学ぶことができます。
コースやプログラムによっては、対面によるトレーニングを課している協会や団体もあります。コーチングのプロ講師からその場でフィードバックを得られるのも、対面トレーニングの大きな利点です。
コーチング資格取得のスクール・団体の選び方
それでは、どのようにしてスクールや団体を選べば良いのでしょうか。
講師や教育方針で選ぶ
コーチングの場合には“誰が教えるのか”でその受講内容やカラーが異なります。
コーチングと一括りにしても、各団体が同じ内容を指導しているわけではありません。こうしたカラーの違いも各団体が開講するセミナーやプログラム、スクールの内容にあらわれてきます。
協会や団体によってカラーが異なるのは理念や教育方針によるところが大きいと言えます。
そのため、コーチングを学びはじめる前に自身が学ぶ目的や将来目指す方向性に合わせて、受講する団体や目指す資格を選択していく必要があります。
スケジュールに合わせて選ぶ
時間的に忙しいビジネスマンほど、スクールでの学習がより有用となってきます。もちろん通信教育や独学でも問題ありませんが、スクールの場合には授業日や課題期限等が学校の予定で設定されます。
短期集中でコーチング学ぶことにより、長期的に自分のペースで学習するよりもメリハリを持って取り組むことが可能となります。時間管理やスケジュールの面でもスクールの予定を意識して効率的に調整することができます。
働きながらコーチングに関する資格を取得しようとした場合、仕事やプライベートとの両立を求められることが多くなります。
そのため、自身の目的や仕事の予定に合わせて「本当に自分に合う学校はどこなのか?」と団体や協会を吟味することはとても重要です。
コーチングの資格を取得するメリットは?
ではコーチングの資格を取得するメリットは何なのか、どのような場面で活かせるのか、ここでは3つのメリットを紹介します。
企業組織やチーム内におけるコミュニケーションの活性化
一つ目は組織内やチームにおけるコミュニケーションの活性化です。経営者や管理職、プロジェクトリーダーがコーチングを学び実践することで、組織やチームにおいてコミュニケーションが円滑になったケースも多くみられます。
これはコーチングの手法を利用することで、チームやプロジェクトに対する問題定義やその可視化、メンバーに対する問題へのアプローチなどのサポートが可能になるからです。
またコーチングを通して管理職やリーダーが組織やチームを俯瞰できるようになります。それによって、人間関係のささいな変化や問題などにも気づきやすくなるのです。結果としてチームメンバーへの適切なサポートや提案により信頼関係が築かれ、コミュニケーションが取りやすい環境に変化していきます。
クライアントへの提案や問題点がより明確化
コーチングの手法は経営者や管理職といった会社のリーダーだけではなく、企業に勤める全てのビジネスマンに対して有用です。その一つがクライアントへの適切な提案や問題点の共有です。
これはクライアントに対してコーチングをおこなうわけではなく、コーチングを学ぶ過程で培ってきた、問題を発見する力や導き方が活かされます。「クライアントにとって本当に大切なことは?」、「問題の本質は何なのか?」といった部分に客観的に切り込んでいくのです。
コーチングで培った技術を用いることで、クライアントさえも自覚していないニーズや問題点をこれまでとは違う切り口で発見することができます。
セルフコーチングを通して自身の業務改善や問題解決につなげる
これまでは相手に対してコーチングの手法を利用していましたが、自分に対してコーチングをおこなうことも可能です。これをセルフコーチングといいます。
セルフコーチングのメリットは、自分が問題に直面した時や仕事が円滑に回らない時に、すぐに自身の業務改善や方向性の修正を模索できる点です。その結果、自分で自身の問題点を発見することができるようになり、業務改善の突破口も切り開くことができます。
ただしセルフコーチングに慣れないうちは、客観的になりきれないこともあります。そのような場合には、周囲の人の助けを借りながらコーチングを進めていくといいでしょう。
知っておきたい! 6つのコーチング資格
ここではコーチングを学ぼうと考えている方にまず知っておいてもらいたい6つのコーチング資格を紹介します。
国際コーチ連盟(ICF)認定コーチ資格
この資格は国際コーチ連盟(ICF)により認定されています。同連盟は世界140カ国に31,000人以上の会員を持ちます。なお国内受験については日本支部が統括しています。
ICFではトレーニング時間が短い順番に、ICF認定資格アソシエート認定コーチ(ACC)、ICF認定資格プロフェッショナル認定コーチ(PCC)、ICF認定資格マスター認定コーチ(MCC)の3種類の資格を提供しています。
各コースには複数の出願条件が存在するため、同じ認定コーチを受験する場合でも、出願条件によって資格取得までの期間や金額が変わります。どの資格にも共通しているのが、ICF認定コーチによるコーチ・トレーニング・プログラム(Accredited Coach Training Program、以下ACTP)を終了している場合には、金額面でも審査面でも優遇されるという点です。
コーチング初級者の場合にはICF認定資格アソシエート(ACC)認定コーチの取得がおすすめ。ICF認定資格アソシエート認定コーチになるには、トレーニング時間60時間以上、コーチング経験100時間(うち有料でのコーチング75時間以上)以上が必要です。ACTPを終了している受講者の場合には、100USドル〜300USドルの受験料で申し込みが可能となっています。
詳しい要項や条件については、必ずICF公式サイトの最新版を確認するようにしてください。
【参考】ICF認定資格 / 国際コーチ連盟(ICF)日本支部
【参考】国際コーチ連盟(ICF) 認定資格の取得/コーチ・エィ アカデミア
一般財団法人生涯学習開発財団認定コーチ資格(認定コーチ)
この資格はコーチング初心者向けの資格とされており、通称「認定コーチ」と呼ばれています。発行団体は株式会社コーチ・エィが運営しているcoachAcademia(以下、コーチ・エィ アカデミア)です。1999年に文部科学省が管理する一般財団法人生涯学習開発財団の認可を受けました。コーチ・エィ アカデミアの発表によると、資格取得者は2018年7月現在で約7,500人以上です。
認定コーチを受験するためには、実際に団体が指定する過程を履修し、自身も3ヶ月以上の期間コーチングを受けなくてはなりません。コーチングの実施も受験条件に含まれており、5名以上のクライアントに対する実践経験が必要です。
なお認定コーチに合格すると、認定プロフェッショナルコーチへの受験資格が得られます。
【参考】 (一財)生涯学習開発財団認定コーチ資格とは/コーチ・エィ アカデミア
日本コーチ連盟認定コーチ
この資格は一般社団法人日本コーチ連盟が認定しています。この資格を受験するにはまず、同社団法人が認定する、日本コーチ連盟認定コーチング・ファシリテータに合格する必要があります。さらに日本コーチ連盟コーチアカデミー専科心理専修プログラム初級コースを修了していることも条件となります。
同社団法人では本認定コーチを取得することにより、コーチング技術の実践的な水準を満たしていることの証明になると説明しています。
取得までのおおよその目安期間や受験時期、受験金額については、日本コーチ連盟からの公式発表を確認してください。
CPCC
この資格はCTIによって国際的に認定されているコーチング資格です。CTIは、国際コーチ連盟(ICF)に世界で初めて認定されたプログラム(ACTP)を提供しているコーチ養成機関です。
国内における資格認定は株式会社ウエイクアップが運営しているCTIジャパンがおこなっています。同社は日本人として初めてCPCCを取得した榎本氏のサポートのもと設立されました。CPCCというのは、Certified Professional Co-Active Coachの略です。同社の発表によると、2016年3月現在で国内では約600人、世界では7,100人が資格を獲得しています。
この資格を受験するには、まず基礎コースから応用コースまでの5つのコースをすべて修了していることが条件となります。またコース開始時までに、CPCCを取得したプロコーチをつけること、そして5人以上のクライアント(有料)を確保することが必要となります。受験費用を含む、コース受講料は750,000円(税別)です。(2020年1月現在)
GCSコーチ認定
GCSコーチ認定は銀座コーチングスクールが運営・認定をおこなっています。 同スクールのコーチ認定試験を受験するには、コーチングに関わる4つのクラスを修了することが条件となっています。さらに、自身もコーチとして5名以上にコーチングを実施する必要があります。
同コースでコーチ認定を受けると、GCSコーチ認定書が付与され、GCS公式Webページにおいて紹介されます。なお4つのクラスの受講時間は合計40時間ほどです(再受講やサポート時間は含みません)。受験費用は、22,000円(税込)です。(2020年1月現在)
【参考】銀座コーチングスクール
米国NLP協会認定NLPコーチング資格
この資格は、米国のNLP(Neuro-Linguistic Programming:神経言語プログラミング)協会が認定しているコーチング資格です。日本では一般社団法人日本NLP能力開発協会が認定資格の発行を米国NLP協会から認められています。
NLPコーチ養成コースは14日間のプログラム(NLPプラクティショナーコース8日間+NLPコーチングコース6日間)を受講することで、米国NLP協会認定 NLPコーチの資格が得られます。
所定の手続きをおこなうと米国NLP協会「認定NLPコーチ」の資格を得ることも可能です。
【参考】日本NLP能力開発協会
ここでは主要なコーチング資格について紹介しました。コーチングに関する資格はこの6つ以外にも多数存在します。学べる内容や予算はもちろん、コーチングを習得したい目的やそれにかけられる時間なども含め、自身に合う資格を総合的に選択していく必要があります。
まだまだある!コーチング資格
ここでは、先ほど紹介したコーチング資格以外について紹介します。学習目的に合う資格があるかどうかを確認してみてください。
日本マーケティングコーチ協会認定資格
各業界のマーケティング担当者向けにコーチングセミナー等を開講しています。運営・資格認定は一般社団法人日本マーケティングコーチ協会です。
MOVEコーチ認定
会社員や経営者、事業家を対象にセミナーを開講しています。最短2日間で認定証をもらえるのが特徴の一つです。運営・資格認定は株式会社スピードコーチングです。
【参考】スピードコーチング
初級教育コーチ認定
教育に携わる人や年頃のお子さんを持つご家族に向けたセミナーやプログラムを提供しています。学生や経営者の方をはじめ、様々な人たちが参加しているのが特徴です。運営・資格認定は一般社団法人日本青少年育成協会です。
【参考】一般社団法人日本青少年育成協会
ヘルス・コーチジャパン認定メンタルコーチ
ビジネス面だけでなく、メンタル面の充実にも目を向けたセミナーやトレーニングを提供しています。会社員や主婦の方をはじめ、様々な人たちが参加しているのが特徴です。運営・資格認定はNPO法人ヘルス・コーチジャパンです。
【参考】コーチングとメンタルヘルスのヘルスコーチ・ジャパン・オフィシャルサイト
コーチングに資格は必要なのか?
コーチングにおける技術やスキルを習得するために講座やコースの受講、資格の取得は必要なのでしょうか。まず結論からお伝えしますと、コーチングの技術やスキルを身につける上では、必ずしも資格が必要というわけではありません。そのためコーチング関連の参考書やビジネス心理学を独学する人もいます。
ではコーチングに関するセミナーやコース、プログラムを受講するメリットはどこあるのでしょうか。一つはセミナーやコース、プログラムを受講することで、コーチングに関する一定期間のトレーニングを受けたという証明になる点です。これはコーチングに関する習得度を示す客観的な指標にもなります。
まとめ
- コーチング資格は民間団体が独自に試験を実施し、認定している。そのため資格を持つ全ての人が同じだけのスキルを有するわけではない。
- コーチングは国内団体以外にも、海外団体が認定している資格もある。
- コーチングの目的や対象が団体や協会によって異なるため、自分に合うコーチングを吟味する必要がある。
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}