連載:第26回 悩める管理職の方へ「マネジメントのススメ」
人が辞めない組織の絶対条件。人材定着を目指すリーダーが陥る「3つの落とし穴」


「ここ数年、中小企業の人の問題は複雑化しています」。企業の女性の採用や定着に16年間携わってきた、NPO法人ワークライフ・コラボ代表理事の堀田真奈さんは警鐘を鳴らします。特に、最近では「組織の要」である中堅層の離職やモチベーションの低さに悩む企業が増えているそう。その背景には、人材定着を目指す企業が陥る「3つの落とし穴」がありました。また、堀田さんが現場を見続けてきた中で確信した、人が辞めない組織の絶対条件とは何か。詳しく伺います。

特定非営利活動法人ワークライフ・コラボ
代表理事 堀田真奈さん
愛媛県生まれ。大学卒業後、旅行代理店に就職。退職後、大手電気通信会社、中小企業経営サポーター、(独)雇用能力開発機構愛媛センター(現:高齢・障害・求職者雇用支援機構)にて能力開発支援アドバイザー等経験。2009年ワークライフ・バランスの普及などを目的としたNPO法人ワークライフ・コラボを設立。愛媛県雇用対策会議委員、愛媛県男女参画会議委員、愛媛大学経営協議会委員などを務める。中小企業における、主に女性の人材定着や人材育成の課題解決に伴走し続けている。
人材定着を目指す企業が陥る「3つの落とし穴」
――堀田さんはこれまで、多くの中小企業の女性活躍を中心とした組織課題解決に伴走してこられました。現在、企業が抱える「人」の問題について、どのような変化を感じていらっしゃいますか。
堀田 真奈さん(以下、堀田): 中小企業の組織課題に関わって16年になりますが、ここ数年で「人」の問題は複雑化していると感じます。 その一つが、30~40代の中堅層の離職です。
一般的に「若手が定着しない」という話はよく聞きますが、最近は「中堅社員が辞めていく」という相談を受けるようになりました。よくよく聞いてみると、「若い人の給料は上がったけど、自分たちは変わらない」「入社3年までは研修やキャリア面談などの機会があったが、それ以降はない」などの声が挙がっています。 若手の定着を図るあまり、既存社員への配慮が不足し、結果として中堅層のモチベーション低下や離職を招くケース ですね。
中堅層の退職は、組織に大きな影響を与えます。なぜなら、中堅層は若手の「成長モデル」となる存在だから。若手社員は先輩の働きぶりを見て、自分の5年後、10年後をイメージします。その中堅層が不満を抱えながら働いていたり、次々と転職していく姿を見れば、「この会社にいても将来性がない」と感じるのは当然のことです。
ここで、一つの問いを投げかけたいと思います。「問題の本質が見えていますか?」
――どういうことでしょうか?
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バックナンバー (26)
悩める管理職の方へ「マネジメントのススメ」
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