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連載:第12回 組織改革 その根幹

“成長のボトルネック”は社長自身だった。超トップダウンから自律型組織への転換でV字回復

BizHint 編集部 2025年9月16日(火)掲載
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トップと社員が一丸となり「自律型組織」を追求している企業が福井県にあります。それが、株式会社ザカモアです。2019年、社長就任以来初の赤字という危機に瀕し、代表の西村拓朗さんはトップダウン経営からの決別を決意。指示なし・役職なし・評価なし——すべてを手放すことで組織を変革し、見事V字回復を果たします。意思決定に社長は全く関与しない、年収は社員自身が決める、業績を伸ばしすぎない…そんな同社の経営の根幹にあるものとは一体?そして、西村さんが語る「自律型組織における社長の唯一の責務」とは?詳しく伺います。

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トップダウンでうまくいっていたはずなのに…初の赤字に絶望

――貴社は「指示なし・役職なし・評価なし」という、社員の“自律”を追求する形で成長を続けていらっしゃいますね。

西村拓朗さん(以下、西村): そうですね。2020年にトップダウン経営から脱却し、5年が経ちました。私がやったことを突き詰めると、 「トップダウンの否定」 だったと思います。「トップダウンではこうするべきだ」ということをどんどんやめていった結果、今の自律型組織が出来上がりました。

――なぜ「トップダウンの否定」をされてきたのでしょうか?

西村: それが当社にとっての生き残る道だったからです。

当社は、曽祖父が創業した老舗靴販売店「西村靴店」が前身で、1989年に法人化。2012年に株式会社ザカモアに社名変更。現在は靴のインターネット販売を行っています。

私は2012年から代表を務めているのですが、会社をより成長させるべく、2015年からトップダウン経営を実践してきました。社長が「やる・やらない」を明確に示し、社員は実行に集中することで、スピードと一体感を生み出します。ボールペン1本買うのも社長の承認が必要なほど、厳格な管理体制を築いていました。売上は順調に伸び、組織も拡大したのですが、利益が伸び悩んでいました。そして少しずつ経営は悪化し、2019年7月期には社長就任以来初の赤字に…。

4年間必死に組織改革をして、規律正しく、モチベーションの高い社員ばかりだったのに赤字。今振り返ると理由は明白で、過剰な人材投資、研修費用、管理コストの増大。管理するための仕組みを作り、その仕組みを運用するためにまた人を雇う。完全に悪循環でした。しかし、当時はなぜこんなにも経営が悪化したのか全くわからず、ただただ絶望していました。

半年ほど悩みに悩み、たどり着いた答えが、 トップダウンで業績が出ないのは、結局トップの器が小さいから。 「ボトルネックは私自身なのではないか」ということ。であれば、トップである自分がいなくなればうまくいくのでは…と思ったんです。正直、認めたくない気持ちはありましたよ。経営者としての自分を否定することになるのですから。

しかしそれからすぐに、それが確信に変わる出来事がありました。成長のボトルネックは間違いなく私自身だったと納得せざるを得なかったですし、当社が今の組織に変わる起点になったとも言えます。

――一体何があったのでしょうか?

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