連載:第73回 総合
「キャリアアップに明確な目標を持てていない」約6割。約2.5人に1人が職場にキャリアサポートがない“キャリア難民”


株式会社Wewillは、東京都内勤務で経理・財務に従事するビジネスパーソン426名を対象に、「経理・財務のバックオフィスあるあるに関する実態調査」を実施しました。バックオフィス業務の現場では、自己成長を促進する機会の提供や業務負荷の軽減、人間関係や職場環境の改善が求められています。また、キャリアアップを支援する具体的な制度の整備や公平な報酬体系の確立が、従業員のモチベーション向上と定着率の改善につながると示唆されます。

約5割(51.7%)が業務のやりがいを実感。やりがいを感じる場面は、「人間的な成長を感じた時」
「業務のやりがい」について調査したところ、 「とても感じる」12.0%、「そう感じる」39.7%となり、約5割(51.7%)が「やりがい」を感じていると回答。その理由として、人間的な成長を感じた時」51.4%が最も多く、次点で「周りから感謝された時」50.0%、「新たなスキルを獲得できた時」35.9%という結果になりました。
上記の結果から、単なる業務の遂行だけでなく、自己成長やスキル向上を重視する傾向が強いことが判明。また、バックオフィス業務は表に出にくい仕事ですが、感謝のフィードバックが重要なモチベーションになっていると推察されます。
「働くうえで、最も重要視しているポイント」について聞いたところ、「職場の雰囲気や文化」29.1%が最も多く、次点で「業務量の安定性」21.7%、「スキルの向上」16.4%という結果になりました。バックオフィス業務では、チーム内の協力や職場環境が働きやすさに直結すると考えられます。特に、 業務の多くが目に見えにくいため、職場の雰囲気や人間関係が重要な要素となる可能性が高いです。また、効率的な業務分担や繁忙期・閑散期のバランスを取る仕組み(業務の見える化、自動化の活用、リソース管理の強化など)を整えることも重要だということが推察されます。
約7割(67.4%)がストレスを感じている。原因は「人手不足からくる大きい業務負荷」
「働くうえで、あなたはどの程度ストレスを感じていますか。」という質問については、「とても感じる」23.5%、「そう感じる」43.9%となり、約7割(67.4%)がストレスを感じていると回答。その理由として、「人手不足からくる大きい業務負荷」45.6%が最も多く、次点で「低い給与水準」42.2%、「ルーティンワークのマンネリ感」28.2%という結果になりました。
人手不足は多くの企業で課題となっており、特にバックオフィスでは限られたスタッフが膨大な業務を処理する必要があります。その結果、業務分担の偏りや1人あたりの過剰な負担がストレスを高めていると推察されます。また、業務負荷に見合った報酬が得られないと感じる人が多く、低い給与水準への不満が広がっています。さらに、キャリアの成長や昇給の道筋が不透明なことも、社員の不満を助長している可能性を秘めています。
職場のキャリアアップのために具体的なサポートは、「特にない」43.0%
「現在のあなたの職務において、キャリアアップに関する明確な目標を持っていますか。」と聞いたところ、58.2%が「いいえ」と回答。さらに、「現在のあなたの職場は、キャリアアップのために具体的にどのようなサポートがありますか。」という質問に対して、「特にない」が43.0%と最も多いという結果になりました。
多くのバックオフィス職場では、キャリアアップを促進する具体的な制度やプログラムが整備されていない可能性があります。バックオフィス業務は業務内容がルーティン化しやすく、スキルアップの機会が限られがちなため、成長支援が後回しにされることが多い傾向があります。
調査概要
調査対象:東京都内に勤務で経理・財務に従事する20~50代の男女|426名
調査期間:2025年3月13日(木)~3月18日(火)
調査方法:インターネット調査
※図表の構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しています。
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000080502.html
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