連載:第74回 総合
2025年度における正社員採用予定は6割割れか、大企業と中小企業の格差が拡大


帝国データバンクでは「2025年度における正社員の雇用動向」について調査を実施。その結果「採用予定がある」とした企業の割合は58.8%にとどまり、コロナ禍の2021年度以来4年ぶりに6割を下回りました。一方で「正社員が不足している」という回答は5割台が2年以上で連続。大企業と中小企業の格差拡大も判明しました。

人手不足解消に採用を拡大したいが、中小はままならない現状
全国2万6,815社を対象とした帝国データバンクの調査(有効回答企業数:1万835社)によると、2025年度(2025年4月~2026年3月入社)の正社員の採用状況について、「採用予定がある」とした企業は58.8%。前回調査(2024年2月実施)から2.7ポイントの減少で、2年連続で前年度を下回っていました。またその採用数などもかなり限定したものであるようです。一方「採用予定はない」は28.5%で2年連続で上昇しています。
業界別に「正社員の採用予定がある」割合を見ると、2024年問題を抱える「運輸・倉庫」66.2%が最多で、人材不足の加速がうかがえます。
また企業規模別に見ると、「大企業」83.6%は全体平均の58.8%を大幅に上回った一方で、「小規模企業」は35.9%にとどまりここでも格差が拡大しています。
さらに採用形態別で「採用予定がある」だったのは、「新卒新入社員」37.1%に対し、「中途社員」51.0%でした。企業規模別だと、「中小企業」は「新卒新入社員」30.8%、「中途社員」47.0%と、即戦力を求めていることがわかります。同時に「賃金が低い零細企業に新卒希望がある訳がない」という悲観的な意見もありました。
また「非正社員の採用状況」については、「採用予定がある」の割合が41.7%(前年度比4.2ポイント減)と2年連続で低下しています。「採用予定はない」企業は同2.1ポイント増の42.5%となり、2年連続で4割を超えました。 パート社員、外国人留学生アルバイトなどを採用する動きも加速しています。
さらに「非正社員の採用状況」を業界別・企業規模別で見ると、「運輸・倉庫」53.0%がもっとも高く、「農・林・水産」51.5%が5割を超えました。
調査方法
調査期間:2025年2月14日~28日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国2万6,815社。TDB景気動向調査2025年2月調査ともに実施
有効回答企業数:1万835社
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001043.000043465.html
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250325-employment2025/
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総合
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