連載:第91回 IT・インターネット
大企業のSaaS活用、導入数や導入率は2023年とほぼ同水準ながら「十分に使いこなせていない」実感が上昇
企業のIT業務プラットフォームとしてすっかり定着したSaaS(Software as a Service)。ソフトパッケージをローカル環境に導入していなくてもネット経由で利用できる仕組みであり、経理や顧客管理から従業員教育・開発まで、現在さまざまな局面でSaaSが活躍しています。一方でその使いこなしにはまだまだ課題もあるようです。
SaaSの再活用には「勉強会・研修会の開催」
テックタッチは、大企業(従業員数1,000名以上)の情報システム担当者522人を対象に「SaaS活用」に関する実態調査を実施。2023年に実施した同内容の調査と比較を行っています。
まず全体に「あなたのお勤め先では、SaaSを導入していますか」と聞くと「はい」74.1%、「いいえ」11.9%。「はい」と回答した387人に「勤め先で導入しているSaaSの数」を聞くと、「1~4個」22.0%、「5~10個」20.4%に回答が集まりました。2023年と比べて「11~15個」「21~25個」の比率が減っており、選択と集中が進んでいるようです。
SaaS導入に「はい」と回答した387人に「勤め先で導入しているSaaSの領域」を聞くと、「Web会議システム」54.0%が2023年同様トップ。以下「人事労務・タレントマネジメント」52.7%、「グループウェア」48.6%が続きました。2位と3位は2023年から順位が入れ替わっています。
さらに「導入したものの十分に使いこなせていない/使っていないSaaSがありますか」と聞くと、「かなりある」18.6%、「ややある」42.1%と、あるという人たちが過半数を占めました。その理由については「複雑なシステムの分かりにくさ」46.0%、「マニュアルの作成・修正ができる従業員不足」45.1%が上位で、それに続く「従業員が意図した通りに使ってくれない、定着せずに想定通り使っていない」40.4%が前年より大きく上昇しています。
そこで「導入したものの十分に使いこなせなかったSaaSを、再活用するための対策」を聞くと、「勉強会・研修会の開催」46.4%、「サービスごとのマニュアル作成」45.1%、「システムを活用できる人員の雇用」44.7%が上位です。ただし「システムを活用できる人員の雇用」は前年の1位から3位まで減少していました。
調査方法
調査期間:2024年8月23日~9月9日
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査対象:大企業(従業員数1,000名以上)の情報システム担当者
調査人数:522人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000228.000048939.html
https://techtouch.jp/resources/ebook-saas-research-2024/
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