連載:第42回 医療・医薬・健康
医療施設や介護施設におけるICTの活用実態 リハビリ業務従事者の半数以上が「満足」


高齢化の進展に伴い、医療・介護施設におけるリハビリのニーズは年々増加しています。しかしその現場では、リハビリ記録や計画書の作成、関係者間の情報共有などに多くの時間と労力がかかっており、専門職の負担感や業務の非効率性が依然として課題となっています。一方で、こうした課題解決を目指してリハビリ現場でもICTツールの導入が進みつつありますが、その活用状況や効果については、まだ十分に把握されていません。

75%以上がリハビリ業務に何らかの課題や負担を少なからず感じている
株式会社テクリコは、療施設や介護施設で専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護福祉士 等)としてリハビリ業務に従事する方を対象に「医療施設や介護施設におけるリハビリ業務とICT活用の実態調査」を実施しました。
「現在、リハビリ業務に何らかの課題や負担を感じているか」を尋ねると、1位は「感じている」33.0%、2位は「少し感じている」24.7%、3位は「大いに感じている」19.5%でした。
リハビリ業務に課題や負担を感じている(少し感じている、感じている、大いに感じている)と回答した人を対象に「リハビリ業務において課題や負担に感じていること」を尋ねると、1位は「スタッフ間の情報共有」55.1%、2位は「前向きにリハビリに取り組んでもらう工夫」52.1%、3位は「記録作業」50.4%でした。また、4位以降も回答率40%を超える項目が複数並ぶことから、リハビリ業務において課題や負担に感じていることは、多岐にわたることがわかりました。
「現在、働く施設ではリハビリ業務の支援に何らかのICTツールが導入されているか」を尋ねると、「いいえが65.4%、「はい」34.6%でした。
勤める施設にリハビリ業務支援のICTツールが導入されていると回答した人を対象に「導入されているICTツールの満足度」を尋ねると、1位は「ある程度満足」36.2%、2位は「少し不満」26.7%、3位は「不満」16.2%、4位は「満足」12.4%、5位は「大いに満足」4.7%でした。
ある程度満足・満足・大いに満足の回答を合計すると、ICTツール導入済みの医療・介護施設でリハビリ業務に従事する方の半数以上が、導入されているICTツールに満足していることが明らかになりました。
勤める施設でリハビリ業務支援にICTツールが導入されていると回答した人を対象に「リハビリ業務を支援するICTツールに求めるもの」を尋ねると、1位は「リハビリ記録作業の負担軽減」58.1%、2位は「リハビリ計画作成の省力化」49.5%、3位は「リハビリ成果の見える化」42.9%でした。
勤める施設にリハビリ業務支援のICTツールが導入されていないと回答した人を対象に「リハビリ業務を支援するICTツールを導入する上での最も大きい課題や障壁は何か」を尋ねると、1位は「コスト」38.4%、2位は「特にない」18.2%、3位は「導入効果の見える化」16.2%でした。
調査概要
調査期間:2025年7月25日~7月28日
調査方法:インターネット調査
調査対象:医療施設や介護施設で専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護福祉士 等)としてリハビリ業務に従事する方(20代~50代の男女)
調査人数:303名
モニター提供元:RCリサーチデータ
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000062354.html
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