連載:第48回 IT・インターネット
次世代リーダーの役割「ビジネス目標達成」より「組織文化醸成」を重視する企業が多数
HR総研では、選抜型研修や配置を通じての育成等、各企業の「次世代リーダー育成」への取り組み実態や最新動向調査が行われました。「次世代リーダーの育成」は、HR総研が実施している人事の課題に関する調査でも例年トップの項目になるなど、多くの企業において、優先的に取り組むべき事項として認識されています。
リーダーへの期待役割「組織文化醸成」が6割と「ビジネス目標達成」を上回る
次世代リーダーに期待する役割については、いずれの企業規模においても「組織文化醸成重視」派が多かったものの、企業規模別にやや傾向の違いが見られた。
大企業においては「Bに近い」(10%)と「ややBに近い」(35%)との合計が45%と「ビジネス目標達成重視」が全体に比べて高くなっているのに対し、中堅企業ではこれらの合計が40%、中小企業では33%となっている。企業規模が大きいほど、次世代リーダーに期待する役割として、ビジネス目標の達成を重視する傾向が見られた。
(※A=組織文化醸成重視 B=ビジネス目標達成重視)
「次世代リーダー育成のターゲットにしているポジション」については「部門長」が最多で71%、次いで「執行役員・事業責任者」が36%、「主要支社長支店長」が23%などとなっている。社長やCxOをターゲットとするとの回答はいずれも1割前後にとどまっており、多くの企業において、まずは部門や事業のトップが育成ターゲットとなっていることが分かる。
次世代リーダー育成対象者の現在の役職については「課長クラス」が最多で78%、次いで「部長クラス」と「係長クラス」がともに50%などとなっている。多くの企業が部門長や事業責任者をターゲットのポジションとしており、この層の確保に向けて、1~2階層程度下の課長クラスからを育成対象としている企業が多いことが分かる。
「次世代リーダー育成・確保において特に重要視している施策」については、「選抜型研修」が最多で47%、次いで「タフアサインメント・ストレッチアサインメントによる経験の付与」と「育成対象者に対するキャリア支援の施策」がともに19%などとなっている。
実施している選抜型研修の形式は「座学での研修」が最多で59%、次いで「ケースディスカッション」が49%、「現役の経営者・役員との対話」が42%などとなっている。
「次世代リーダー候補者のスキル・特性として重視すること」については、「リーダーシップ」が最多で66%、次いで「組織・人材マネジメント」が55%、「目標達成意欲・行動力」と「問題解決力」がともに52%などとなっている。
前年の調査結果と同様、「財務・会計に関する知識」(22%)や「デジタルリテラシー」(24%)、「法務知識」(11%)などの具体的な知識・スキルよりも、より総合的な「人を動かす能力」や「目標や課題に立ち向かう能力」が重視されていることが分かる。
実施している選抜型研修の内容については「リーダーシップ研修」が最多で61%、次いで「組織・人材マネジメントに関する研修」が42%、「問題解決スキル向上のための研修」が34%などとなっている。
前述の「次世代リーダー候補者のスキル・特性として重視すること」に概ね対応する研修が上位となっていることがうかがえる。
調査概要
アンケート名称:【HR総研】「次世代リーダーの育成」に関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2023年7月24~31日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者・担当者
有効回答:218件
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000041222.html
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