連載:第46回 経営危機からの復活
「あなたは社員に責任を押しつけている」叱責され目が覚めた。ダメ経営者の思考を捨てV字回復
「私は社員を駒のように扱っていました…」こう後悔するのは、札幌で業務用冷凍ケーキを製造販売するclimbの社長・佐々木亮太郎さん。「あと1週間で倒産する」という会社を譲り受け、一時は倒産を逃れたものの、ホスト時代の成果主義・自己責任を押し付けるブラックな環境に社員の不満は爆発。すべてがうまくいかない中で「あなたは社員に経営の責任を押しつけている」と叱責され、経営者としての未熟さを知り、行動が少しずつ変わっていきます。その後V字回復を遂げ、社員の給与30%アップなどを実現。経営者としての変化・成長を伺いました。
株式会社climb
取締役社長 佐々木 亮太郎さん
高校を中退してホストへ。2008年に父が運営する冷凍ケーキ会社・夢工房に入社。ケーキ職人として修業を積み、2016年に取締役社長に就任。コロナ禍で北海道内初の冷凍ケーキの非接触販売の券売機システムや自動販売機を導入。2020年に社名をclimbに変更。日本初の業務用フローズンケーキ専門店「札幌フローズンケーキラボ」をオープン。
『あなたは、社員に経営の責任を押しつけているだけだ!』という叱責で目が覚めた。
――貴社はこれまでに幾度も倒産危機や組織崩壊を乗り越えられてきたとのこと。
佐々木亮太郎さん(以下、佐々木): そうですね。とくに父から社長業を譲り受けてしばらくしたころは、もっとも組織が崩壊していたと思います。
当時、社長に就任した私は張り切って営業に励み、業務用の冷凍ケーキの注文をどんどん取ってきたのですが、工場ではその量を作りきれない。社員の作業は毎日深夜まで続き、私も朝方までケーキを作っていました。
しかし私はそういった状況に対して 『社員の作業が終わらないのは社員の力不足。自己責任。それをなんとかするのが仕事』と、本気で考えていました。
ですので、社員の窮状に思いを巡らせることもなく、ただただ売上・利益を上げるために奔走。むしろ、自分が一番働いているという自負すらありました。
ただ、私がどんなにがんばっても、儲からない…。まったくうまくいきませんでした。
そんな中、先輩経営者に誘われて参加した中小企業同友会の勉強会を通じて、自分の考えが経営者として間違っていたこと、いや正しくは、自分は経営というものをまったくわかっていなかったことに気づかされました。
勉強会で、自社がうまくいかない理由について、他の経営者の前で話した時のことです。
激しく叱責されたあの言葉は、絶対に忘れることはないでしょう。
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
-
{{comment.comment_body}}
{{formatDate(comment.comment_created_at)}}
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}