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連載:第72回 リーダーが紡ぐ組織力

「指示待ち組織」を変えたリーダーが、失敗から得た教訓。自律型組織への20年

BizHint 編集部 2026年3月17日(火)掲載
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「自分の至らなさで、従業員の人生を変えてしまった」。総合物流会社・床枝衣料工業株式会社の代表取締役 床枝啓太郎さんは、社長就任直後の苦い経験を振り返ります。組織改革を志しながらも、招いてしまった現場の混乱と幹部たちの離職。その痛烈な失敗による、ある教訓が床枝さんを変えました。それをきっかけにマネジメントの根本を見直した結果、現在では社長が1週間不在にしても現場が自ら判断して稼働する「自律型組織」へと変貌を遂げています。床枝さんが、指示待ち組織を変えるために進めたこととは。詳しく伺います。

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「右腕だった幹部の離職」大きな失敗から得た教訓。指示待ちから、自律型組織への軌跡

――最初に、床枝さんが社長に就任された頃の状況について教えてください。

床枝 啓太郎さん(以下、床枝): 最初に少し背景をお話しすると、当社はアパレル・化粧品・コンタクトレンズなど取扱いの難しい商材を主軸に据えた総合物流会社です。倉庫から人材まですべてを自前で持つスタイルが、最大の強みとなっています。

父が創業したこの会社に入社したのは、2003年のこと。その3年後、二代目社長に就任しました。当時は、「組織」と呼べるような仕組みはほとんどありませんでした。従業員は数十名いましたが、パートさんの割合が多く、父である会長と私、センター長の三者だけで現場を回しているような状態で。それ以外の役職も人事評価制度も、存在していませんでした。

マネジメントスタイルも、今とはまったく異なるものでした。拠点のトップであるセンター長には大きな権限が与えられており、 完全なるトップダウンの体制が敷かれていました。その結果、従業員はただ指示されたことだけをこなす「指示待ち」の状態になっていて。 トップの指示と異なる進め方をすれば怒られる環境でしたから、現場から意見やアイデアが上がってくることは、まったくありませんでしたね……。

私は「彼ら彼女らは、仕事をしていて楽しいのだろうか」と、 強い違和感を覚えていました。 私自身、やらされ仕事が好きではありませんでしたから、従業員にも同じ思いをさせたくなかった。自分で考え実践し、何が合っていて何が違うのかを試行錯誤しながら進めることに、仕事の楽しさはあるはずです。また、仕事を「自分ごと」として捉えてほしいと強く思っていました。ただ、当時は「社長」という肩書きはあるものの、長年続いてきた慣習を変えられるほどの力はありませんでした。

この頃、事業拡大を目指して積極的な営業活動を進め、女性向けブランドなどの新規取引を獲得し、急拡大させていました。センターは1箇所から3箇所に増え、それに伴って従業員数も大幅に増加。そのため私の目が行き届かなくなり、外部から大手物流会社出身の経験者を採用し、組織改革の旗振り役を任せることにしました。例えば、それまで現場が自由にやっていた業務に対し、会社としてのルールを設けました。各センターの判断で自由に発注できていたものを、稟議書を上げて社長の承認を得てから発注する「稟議制度」などの導入です。属人的な管理から、仕組みによる管理へと移行しようとしたわけです。

ただ、 役職や個々の役割などが整っていない状態で急激に売上が拡大したことにより、現場は混乱。 ミスやトラブルが続きました。また、それまである程度の裁量を持って自由に働いていたセンター長クラスの幹部社員たちも、新たなルールの数々に強く反発しました。私は新旧メンバーの間に入ってまとめようとしたのですが、なかなかうまくいかず……。結果、そのうち数人が「ついていけない」と離職してしまう事態を招いてしまったのです。 中には右腕として頼りにしていた幹部もおり、そのショックは計り知れませんでした。

ただ、 この失敗から私は大きな「教訓」を得ました。 その教訓を胸に、一つひとつ組織改革を進めました。それから20年。 従業員の主体性は大きく高まり、現在では私が1週間不在にしても問題なく回る「自律型組織」に変貌を遂げています。

――その「教訓」とは何だったのでしょうか?

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