連載:第9回 総合
2年連続で企業の“脱首都圏”が加速、上半期だけで44社の転出超過。2022年は70社超が転出の予測
「経済環境の悪化」と「首都圏からの本社移転」は密接な関係性があり、1990年代のバブル崩壊後、2008年のリーマン・ショック後などで“脱首都圏”の傾向が見られました。そして近年のコロナ禍でも脱首都圏現象が発生しています。特に今回は、ITの発展でテレワークやビデオ会議が普及したことも、この傾向を後押ししているようです。
転出先の最多は「茨城県」、転入元の最多は「大阪府」
2022年1~6月における「本社移転」(首都圏←→地方間での本社所在地の移転)が判明した企業を、帝国データバンクが集計していますが、その結果、「首都圏から地方へ本社を移転した企業数」(転出)は168社、「地方から首都圏へ本社を移転した企業数」(転入)は124社で、上半期だけで44社の転出超過であることが判明しました。このペースが続いた場合、転出企業数は2年連続で300社超、転出超過は70社超となる見込みです。
ここ10数年は転入超過が続いていましたが、コロナ禍で反転し、2001年(転出超過:92社)以来20年ぶりの“脱首都圏”傾向が鮮明となっています。
企業の転出先を都道府県別で見ると、もっとも多かった転出先は「茨城県」18社でした。以下「大阪府」17社、「愛知県」13社が続きます。首都圏に近い位置、あるいは地方の大都市というのが本社設置には有利と考えられます。なお移転先の都道府県数は、2021年の31から2022年は上半期だけで37と増加しており、多様化していることがうかがえます。
なお、地方から首都圏へ移転した企業の転入元では、「大阪府」22社が最多。以下「愛知県」17社、「北海道」11社となっています。
調査方法
調査期間:2022年1月~6月
調査対象:首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)←→地方間での「本社所在地の移転」が判明した企業。個人事業主、非営利法人等含む。
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000541.000043465.html
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