連載:第29回 医療・医薬・健康
2021年の医療機関の倒産、「診療所」の倒産が前年比1.8倍に急増
コロナ禍による経済的損失は、飲食業・旅行業が特に目立ちますが、最前線である医療機関(病院、診療所、歯科医院)も大きな打撃を受けました。感染リスク回避による患者の減少、感染対策への投資増大、労働環境の悪化など、多くの医療機関がいまだ苦境に立たされています。
事業者全体の負債額は94億300万円で、前年から22億4700万円増
帝国データバンクの調査によると、2021年の医療機関の倒産(負債1000万円以上)は33件。そのうち新型コロナが倒産の主因または一要因になった倒産は、15件が当てはまり、前年の4件から1.8倍にまで急増しています。
病院(病床数20以上)、診療所(病床数20未満)、歯科医院それぞれについて見ると、「病院」が1件(負債総額52億円、前年4件)、「診療所」が22件(同38億7700万円、前年12件)、「歯科医院」が10件(同3億2600万円、前年11件)で、診療所の倒産が急増しています。
都道府県別では東京都が7件でもっとも多く、大阪府の6件が続きます。態様別では「破産」4件、「民事再生法」29件でした。また
負債総額は94億300万円で、これも前年から22億4700万円増となっています。最大の倒産となったのは「松本病院」を運営していた大阪府の医療法人友愛会(社団)で負債は約52億円でした。なお病院の倒産は、2020年10月以来10か月ぶりでした。
医療機関の倒産は、近年では2019年の45件が最多になっています。コロナ禍での倒産が比較的抑えられているのは、国や金融機関の支援を受けた事業者が少なくないためと推測されます。なかにはコロナ関連の補助金によって黒字決算となった事業者もあるようですが、引き続き状況は厳しく、診療所など小規模な事業者から影響が出始めていると考えられます。
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000401.000043465.html
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220102.html
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