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連載:第19回 慣習に囚われない 改革の舞台裏

社員に理念が浸透しない。「裸の王様」と言われた社長が大量離職を乗り越えてやっと気づいた会社創りの本質

BizHint 編集部 2021年12月16日(木)掲載
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神奈川県海老名市に本社を置くアイ・ビー・エス・ジャパン株式会社。父親が創業した会社を継いだ望月綾子さんは、トップダウンが染みつき社員が指示待ちの組織を変えなければと決意します。ところが、経営理念は浸透せず、社員も一度に離職してしまうなど、苦しい局面を何度も迎えました。「あなたは裸の王様だ」とまで社員に言われた社長が辿り着いたのは、「一緒に働く社員さんは会社経営の対等なパートナーである」という考え方でした。

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アイ・ビー・エス・ジャパン株式会社
望月綾子代表取締役社長

1967年生まれ。立教大学を卒業後、アメリカに自分探しの旅に出る。オクラホマ州立大学大学院修士卒業後、アメリカの半導体装置メーカに就職。1997年、父からの命でアメリカ調達会社を立ち上げる。2014年代表取締役社長に就任。現在もコロラド州ボルダーと日本を年に数回往復しながら両社の経営を行っている。


必要に迫られて目指した自走型組織と脱・トップダウン

――経営層の考えが現場に伝わらないという課題はどの企業でも起こりうることだと思われます。今日はいかにして経営層と現場の温度差を改善できたのか、そのいきさつと背景をお聞かせいただければと思います。

望月社長(以下、望月): 当社は、ケーブルや通信スイッチといった産業用データ通信装置などを海外から調達して販売している輸入販売商社です。父が1987年に創業し、2014年に私が承継しました。

私自身は大学卒業後に渡米し、1997年に父の会社の関連会社としてアメリカの調達会社を設立しました。現在もその調達会社の代表を兼務していて、家族もアメリカにいるため、1年のうち半分以上は海外からリモートで仕事をしています。

事業承継時の最初の課題はコミュニケーションでした。私が海外から逐一、日本の現場に指示を出すのは現実的ではなかったので、ITを駆使して国境や時差を超えてコミュニケーションを取れる環境を作ることと、現場の社員さんが自分たちで考えて自走できる組織に変えていくことが急務でした。 まずは現状を知るために、社員全員と個別面談を実施しました。

面談をしてみて「なんだかみんな幸せそうじゃないな」と感じました。

会社の方針はほとんど父と専務である母が決めていたので、 会社のいろんなことがブラックボックス化していました。

父が作った優秀なビジネスモデルと母の日々のたゆまぬ会社運営のお陰で業績はとてもよかったので、給料は業界の中でもよかったのですが、一方で評価制度がないので自分はどのように評価されているのかと不安に思っている社員もいました。

また現場の部長がいなかったせいもあり、一人一人の能力は高いにもかかわらず、チームとしての動きができていませんでした。「うちは個人商店の集まりですから」と面談でも言われました。

その様子を見て、みんなが幸せに働ける会社を作りたいと思いました。会社のすべてを担っていたのは父と母だったので、 このままでは会社は存続していかない。社員が安心して将来も居続けられる会社に私が変えなければ、という想いが強くなりました。

それから猛烈に経営の本を読み漁りました。経営コンサルや友人経営者、あらゆる人に聞いてまわりました。社員からも「うちの会社には大義名分がない」と言われたので、2015年に、社員が同じ方向を向けるよう「経営理念の策定と評価制度の策定」と、売上を伸ばすための「営業の強化」の2つの改革に取り掛かりました。

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