連載:第17回 小売・サービス
コロナ禍で苦境が続く店舗経営。売上が順調な店舗が取り組んでいることとは?


収束の兆しが見えない新型コロナウイルスにより、飲食店や小売店などの店舗経営者は大きな影響を受けています。特に外出自粛や時短営業が求められていた緊急事態宣言中には、多くの店舗で通常通りの営業ができず、売上も激減していた店舗は珍しくありません。株式会社プラストは、直近2~3年売上維持または増加している店舗経営者と売上が減少している店舗経営者、あわせて1,034名を対象に「コロナ禍での店舗経営」に関する調査を実施しました。コロナ禍でも安定した運営をしている店舗には、どのような共通点があるのでしょうか?

経営が順調な店舗では、緊急事態宣言解除後に売上が回復している傾向
緊急事態宣言発令時と解除後を比較して、1日あたりの売上にどれくらいの変化があったかについて質問しました。その結果、経営が順調な店舗経営者では「+1~29%(24.9%)」と回答した人がもっとも多く、次に「+30~49%(20.8%)」「変化なし(22.2%)」が続いています。
同じ質問を経営が不調な店舗経営者にした結果、「-1~29%(37.7%)」の回答がもっとも多く、「-30~49%(28.9%)」「-50%以上(13.6%)」が続いています。
ここ2〜3年で売上を維持、または増加している順調な店舗では、緊急事態宣言後に売上が戻ってきているパターンが多いようです。
続いて、経営が順調な店舗経営者に「店舗でもっとも注力していること」について聞きました。その結果、「リピート促進」が36.2%でもっとも多く、次に「新規顧客の獲得(33.1%)」「従業員管理(27.2%)」が続きました。
経営が不調な店舗では、「リピート促進(46.2%)」「原価削減(34.2%)」「売上管理(33.4%)」という結果となっています。
どちらの店舗経営者も最も力を入れているのは「リピート促進」のようです。
店舗アプリやSNSなどのWeb施策を活用
経営が順調な店舗経営者に、店舗管理や集客のためにしている対策について聞いた結果、「店舗アプリ(45.8%)」が最も多く、「SNS(43.8%)」「HP(42.0%)」が続きました。各種Web施策をうまく組み合わせて活用している様子が伺えます。
続いてアプリやシステムを利用するメリットについて質問すると、「お得なクーポンなどを配信して集客することができる(27.4%)」「顧客情報を管理することができる(22.0%)」「最新の店舗状況を発信することができる(19.1%)」などに回答が集まっています。
アプリやシステムを導入して良かったこと
アプリやシステムを導入して良かったこととして、具体的には以下のような声が寄せられました。
- 「予約キャンセル管理がしやすくなった」(40代/男性/静岡県)
- 「情報発信が安易になった」(40代/男性/宮城県)
- 「システムで管理出来るので、効率的。 長い目で見ると人件費の削減に繋がる」(50代/女性/東京都)
- 「在庫管理など効果的にやれるようになった」(40代/女性/埼玉県)
- 「固定客が増えた」(50代/男性/愛知県)
- 「新規のお客様が持続的に増えた」(50代/男性/神奈川県)
アプリやシステムを導入して大変だったこと
一方、アプリやシステムを導入して苦労したことに関して、以下のような声が挙がっています。
- 「初期費用がかかる」(30代/女性/大阪府)
- 「新しいシステムに慣れるのに時間が掛かった」(40代/女性/神奈川県)
- 「簡単に宣伝することができるが、更新がめんどくさい」(40代/女性/福岡県)
- 「開発に手間取った」(50代/男性/栃木県)
- 「慣れていない人が非常に多く、時間がかかってしまう」(50代/男性/大阪府)
- 「アプリの不具合対応」(30代/女性/愛知県)
調査概要
【調査期間】2020年11月18日(水)~ 2020年11月20日(金)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,034人
【調査対象】直近2、3年で売上維持、または増加している店舗経営者と売上が減少している店舗経営者
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000049109.html
バックナンバー (17)
小売・サービス
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