連載:第1回 総合
49%が収入減、失業者も43%に。観光業に従事する海外在住日本人の生活苦しく
新型コロナウイルス感染拡大により、全世界的に旅行が減少しています。日本からも、国外旅行についてはまだまだ渡航できない国も多く、以前の活気を取り戻すのがいつになるのかわかりません。そのような中、株式会社ロコタビは、観光業に従事する海外在住日本人に対し実態調査を実施しました。その結果、海外在住日本人が現在大変厳しい状況に置かれていることがわかりました。
観光業従事者の約半数が収入源。失業した人も43%に
海外在住日本人ののなかで観光業に従事している人の収入への影響を見てみると、収入が5割以上減少した人が30%、2~5割程度現象した人が15%、2割以下の現象の人が4%と、合わせて49%の人が収入減少という結果となりました。
また仕事を失った人も43%と非常に多く、観光業に従事する海外在住日本人は危機的な状況に陥っていることがわかります。
収入が減り、今後の仕事の見通しが立たない
観光業に従事する海外在住日本人に、現状を具体的にあげてもらいました。収入が減り、会社のサポートも不十分なことが多く、今後の仕事や生活に対して大きな不安を感じている様子が見て取れます。
「5月より減給されたが、インドのビザ基準年収に達さない分の補填について、会社に取り組んでもらえない。それにより来年以降ビザが更新できなくなる為、日本への本帰国を考えているが、帰国する飛行機も不定期で高額の臨時便しか無い。」(インド在住、20代女性、会社員)
「観光業に従事しているためこのまま観光客が来ないと仕事を失い日本に帰国せざるをえなくなる。知人の中には職を失い日本への帰国を決めた方もいる。今は耐えるしかないかもしれないが、先が見えないので不安もある。国際結婚をして今いる国に住んでいるため、この国に骨を埋める覚悟をして住んでいたつもりだったが、今回のことで最終的に頼ることができるのは母国である日本だけだと痛感した。」(カンボジア在住、30代男性、会社員)
「日本からの観光のお客様には、日本国の事情もありますから、今年中にはアメリカに来ていただけないと思いますし、コロナの特効薬などができない限り、世界の状態は変わりません。NYは今では他の州よりもはるかに感染者が少なくそういった面では安全になりつつありますが、観光客は来ていません。私たちのような観光業に携わるものには、来年になっても仕事が戻らないようです。求人も見ていますが、企業では従業員を大幅にカットしてますし、レストラン等も潰れているところが多い上、外でしか食事ができないようになっているため、ウエイトレスなどのパ-トも大幅カットなど、アメリカでの雇用状態は大変悪くなっています。この中で新たに職を探すのは至難の技です。3月16日のロックダウンまでは私は大変忙しく、今年もほとんど予定が詰まっていましたが、今は全て0で、今後どうしたらいいか検討がつきません。」(アメリカ・ニュージャージー州在住、50代女性、フリーランス)
「在住都市は観光都市、観光客がいなくなり、民泊を経営しているが収入がなくなった。ここの住民の多くが仕事を失い、収入を絶たれ、犯罪が増加している。これ以上この状態が長引くと貯金がなくなり、生活できなくなることが懸念される。」(メキシコ在住、50代女性、自営業)
「年老いた母がいるため年2回帰国をしているが、現在日本への入国に隔離対応があるのでまだ状況を見ている状態。(日本の対応が変わらなくても年内一時帰国検討中。ただし日本の感染者がこれ以上増加していくと、イギリスに戻った際の隔離条件が発せられる可能性も懸念)また万が一帰国しても帰国者へのヘイトがとても気になる。パートナー(アイルランド人)が日本の永住権を所有しているにも関わらず入国拒否となっている事に、日本の外国人差別、及び対応の国際的レベルの低さを強く感じている。(イギリス在住、50代男性、自営業)
「私の仕事、観光業の復活はワクチンが出来ても以前の様になるには時間がかかると思うので、他を見つけているが、LA等大都会からのオファーに躊躇してしまう。感染が怖い。理由は55歳という年齢と喫煙者でもあり、シングルマザーでもあるからだ。現在は休業補償で問題無く生活が成り立っているが、年末迄には仕事に付かないと生活が成り立たない。でも今後生活の場を変える勇気が湧いてこない。私がいなくなったら息子は頼る親戚もいない。それにこの年で何を、何処で?と考えると鬱になるので毎日現実逃避。早くワクチンが出来て欲しい。」(アメリカ・カリフォルニア州在住、50代女性、会社員)
補助金の有無や金額は国によってまちまち。中東やアフリカは受給が難しく
海外在住日本人に対して、在住している国の支援状況がどのようになっているかを聞きました。その結果、失業補償などの給付については、各国でばらつきがあることがわかりました。
北米やオセアニア、ヨーロッパに関しては、比較的給付金を得られている人が多いようです。一方で、アジアや南米は給付金を得られている人が少なく、中東やアフリカでは補助金を得られていません。
補償が不十分との声が多数
補償の現状に対して、具体的に説明してもらいました。補償金額については各国でバラツキがあるようですが、どの国でも観光業界が苦しく、生活に不安を感じている様子が伺えます。
「世帯全員が観光業を主たる収入源としていたため、今後の見通しが全く立てられない。」(イタリア在住、40代女性、フリーランス)
「現地政府からの補償は最低限の生活には十分ですが、やはり以前の収入レベルには及びません。この状況が長引いた場合の、業務形態の転換や発展についてアイデアが出ずに懸念しています。」(フランス在住、40代女性、フリーランス)
「政府は海外在住の日本人にも金銭的支援をしてほしい。」(フィンランド在住、70代男性、自営業)
「支援がオーストラリアからなく、現実的に生活がもう限界に近いです。しかし学校がある為日本に帰るわけにもいかず、滞在しているが、仕事がない為とてもストレスをかかえている」(オーストラリア在住、20代女性、学生)
「日本政府からの給付金があったらどんなに助かる事か。かなり食費を切りつめている。」(ネパール在住、50代女性、会社役員)
調査概要
- 調査期間:2020年8月15日-2020年8月19日
- 回答数:1,943件
- 回答国数:80カ国
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000024321.html
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