“2025年の世界”を動かすカギ、国内マーケターは「AI」、海外マーケターは「Google」を重要視

ミレニアル世代は「SNSでの共感」、シニア世代は「先進的な挑戦」を重視

インテージが行った調査は、新型コロナウイルス感染症拡大により企業のマーケティング活動が大きな影響を受けるなか、“2025年のマーケティング”“マーケター自身が想う近未来のありたい姿”をテーマとした内容となっています。

まず「成功したマーケターとしての自身が、世界屈指のビジネス誌にインタビューされている状況」を想像してもらい、どのようなキーワードでそのインタビューに答えるかを回答してもらったところ、日本のミレニアルマーケター、シニアマーケターは、いずれも「AI」を第1位にあげました。一方海外のマーケターでは「AI」はトップ20位圏外。「Google」（海外ミレニアルマーケター）、「global」（海外シニアマーケター）がそれぞれ第1位でした。

続いて、関係性が強いキーワード同士を近い位置に配置し、マッピングを行ったところ、日本のミレニアルマーケターの中心には「ペルソナ」「Instagram」「共感」「改題解決」「インフルエンサー」といった単語が集まりました。一方で日本のシニアマーケターの中心には、「品質」「先進性」「挑戦」「前進」といった単語が集まりました。

これらの単語の傾向から、ミレニアルマーケターは、インフルエンサーなどのパーソナリティを重視しており、そこからSNSなどを通じて共感の輪を広げようとしていると考えられます。逆にシニアマーケターは、商品の品質や先進性などで勝負しようとする姿勢が垣間見えます。

ミレニアルマーケターの戦略は「IoT・AIを駆使」、シニアマーケターの戦略は「働き甲斐や自己実現」

さらに、「2025年のマーケティング」において「戦略」がどういう意味を示すか、マップでの位置を確認したところ、日本のミレニアルマーケターのマップでは、「戦略」の近くには「シーズ」「顧客」「市場」「グローバル」「先進的」といった単語が、そして同じエリアには「AI」「グローバル」「IoT」「効率化」といった単語がありました。

一方、シニアマーケターのマップでは、「戦略」の近くに「達成感」「食」「人脈」「笑顔」「最先端」があり、同じエリアに「やりがい」「働き方改革」「人材育成」「成功」「楽しさ」が集まるなど、ミレニアル世代とかなり異なります。これは、シニア世代が後進を育てるポジションとなって、内向きの人材育成を重視する視点を持ち、それが外向きのマーケティング施策にも反映されるためと思われます。

最後に、「少子化」「高齢化」「温暖化」「働き方改革」「人口減少」「エコ」「環境」といった社会課題の関連ワードが、どういった配置になったかを見てみましょう。

ミレニアル世代では、単語はマップ全体に分散しています。“社会課題は、マーケティング活動のあらゆる局面に関わってくる”という意識が強いのかもしれません。また「SNSの活用」という単語の近くに「環境問題」「エコ」「少子化」があるのは、問題解決の手段として期待されているためでしょう。

一方シニア世代では、「SDGs」「環境問題」「リサイクル」というグローバル課題、「高齢化」「少子化」「社会貢献」「健康」という国内課題が、それぞれ集まっており、国内外の課題を区別する意識が見てとれました。

新型コロナにより、まだまだ先行き不透明な今日この頃ですが、5年後の2025年の世界図を想像するのも楽しいかもしれません。ぜひ参考としてください。

調査方法

調査期間：2020年8月
調査方法：『デ・サインリサーチ』による調査とワークショップの複合手法
調査対象：日本、世界20か国のマーケティング業務に従事している男女
調査人数：
・日本のミレニアルマーケター500名、日本のシニアマーケター500名
・世界20か国のミレニアルマーケター500名、世界20か国のシニアマーケター500名
　合計2000名。
※ミレニアルマーケター：20～35歳（マーケティング業務経験13年未満）
※シニアマーケター：40～55歳（マーケティング業務経験10年以上）

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000098.000036691.html https://www.intage.co.jp/gallery/2025marketing2/