連載:第19回 総合
2020年6月施行のパワハラ防止法、外国人のパワハラ被害者7割が「存在も内容も知らない」


2020年6月に改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が施行され、企業はパワハラ防止により一層力を入れる必要が出てきています。これを受けて、ヒューマングローバルタレント株式会社がパワハラ被害を受けたことがあると認識している日本人と外国人に、「パワハラに関するアンケート調査」を実施しました。その結果、日本人・外国人共にパワハラ防止法についてよく理解していない人が多く、外国人については約7割が存在すら認識していないことが判明しました。

外国人の約7割が「パワハラ防止法」を知らない
パワハラを受けたことがあるビジネスパーソンに「2020年6月に施行されたパワハラ防止法について知っていますか?」と質問したところ、「存在も内容も知っている」と回答した人は日本人で26%、外国人では5%に留まりました。また、「存在は知っているが内容はよく知らない」と答えた日本人は45%、外国人は22%。「存在も内容も知らない」と回答した人、日本人で29%、外国人では73%となりました。
日本人も外国人も内容まで理解している人は少なく、外国人は法律の存在も知らない人が多いことが判明しています。
パワハラの6類型、日本人・外国人共にパワハラだと認知
厚生労働省が定義づけるパワハラに当たりうる6類型、「(1)個の侵害」、「(2)過小な要求」、「(3)過大な要求」、「(4)人間関係の切り離し」、「(5)精神的攻撃」、「(6)身体的攻撃」について、それぞれがパワハラに該当すると思うか質問しました。その結果、日本人・外国人のどちらもすべての項目について約8割以上の人がパワハラだと思うと回答しています。
最もパワハラだと思う人が多かったのは「精神的攻撃」で、日本人の99%、外国人の92%がパワハラだと思っているようです。一方、「過大な要求」をパワハラだと思っている外国人は78%に留まっており、約2割の外国人はパワハラだと感じていないことがわかりました。
パワハラをなくすのが難しい理由、日本人と外国人で認識に差
パワハラをなくすのが難しいと思う理由について質問した結果、日本人では「加害者にパワハラの自覚がないため」(83%)が最も多く、「被害者が声を挙げにくいため」(81%)、「指導とパワハラの線引きが曖昧なため」(60%)と続いています。外国人では、「被害者が声を上げにくいため」(78%)が最も多く、「指導とパワハラの線引きが曖昧なため」(61%)、「加害者側にパワハラの自覚がないため」(59%)となりました。
「加害者側にパワハラの自覚がないため」の項目については、日本人と外国人で20ポイント以上の差があり、認識の差が大きいことが判明しています。また、自由記述欄では、以下のような意見も挙がりました。
- パワハラの発生を許してしまう社内文化があるため(アメリカ国籍)
- パワハラに十分な罰則がないため(イギリス国籍)
- 社外に相談窓口を設けても労務関係者が漏らすことがあり、結局社内に知れ渡るパターンがあるため(日本国籍)
パワハラ解決に必要な施策、日本人は「トップの宣言」、外国人は「社内規定」が最多に
「パワハラ解決に役立つと思われる企業の施策について」質問した結果、日本人は「トップの宣言、会社の方針にパワハラ防止に関する内容を定める」(71%)、外国人は「就業規則などの社内規定にパワハラ防止に関する内容を盛り込む」(76%)が最も多い回答となりました。
自由記述欄では、日本人や外国人から以下のような意見が挙がっています。
- 社内相談にて不利益を生じない仕組みが相談窓口設置とともに必要(日本国籍)
- ジェンダーや人権に関する教育をさらに提供する(アルメニア国籍)
- パワハラを深刻にとらえること(ブラジル国籍)
調査概要
調査期間:2020年6月5日(金)~2020年6月8日(月)
調査対象条件:パワハラを受けたことがあると認識するビジネスパーソン
有効回答数:275名(日本人196人・外国人79人)
調査方法:「Daijob.com」登録者へのインターネット調査
調査主体:ヒューマングローバルタレント株式会社
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000010881.html
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