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連載:第9回 補助金・助成金 活用術

企業主導型保育事業は「人出不足対策」と「地域貢献」の一石二鳥の施策です!

Logo markBizHint 編集部 2020年3月16日(月)掲載
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企業主導型保育事業は、国が力をいれている待機児童向け施策です。2016年に255施設でスタートしましたが、2019年3月31日現在の企業主導型保育事業助成決定は、3,817施設、定員86,354人分と10倍以上に急増しています。企業主導型保育所がこれだけ急速に施設数を増やしたのは、開所のための整備費、開所後の運営費の両方で「企業主導型保育事業」の規定内での支援が受けられることが理由でしょう。今回は、「人出不足対策」と「地域貢献」の一石二鳥の施策である、企業主導型保育事業の概要についてまとめています。

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1.「企業主導型保育事業」とは

「企業主導型保育事業」とは、簡単にいうと、企業が保育所を設置して運営を行うことを内閣府が助成する制度です。待機児童を減らし、子どもをもつ親の仕事と子育てのサポートすることを目的として、平成28年度(2016年)からはじまった制度です。

保育施設にもたくさんの種類があり、厚生労働省によると以下のように分類されています。そして、企業主導型保育所は、認可外保育所に含まれます。認可外保育所というと一見、マイナスなイメージとして捉えられるかもしれませんが、デメリットばかりではなくたくさんのメリットがあります。

2.企業主導型保育所ができた社会的背景

企業主導型保育所は、2016年に誕生しました。その背景には待機児童問題があります。年々増加する待機児童の受け皿として、国は、認可保育園を増やしたいと考えていました。

しかし、認可保育園が増えることでの財政負担や近隣住民からの反対、自治体業務の増加などを自治体が不安視しており、思うように認可保育園は増えませんでした。そのため、国は、企業に認可外保育園を開設してもらい、保育の受け皿を増やすことを思いつき、「企業主導型保育事業」という制度を整備し、手厚い補助金や支援を整えることになりました。

少し違和感は、ありますが、認可外保育園とすることで、自治体からの認定を受けずに設置することができ、より柔軟な枠組みで進めることができます。通常、認可外保育園には国からの補助金を受け取ることができません。

しかし、企業主導型保育所については開所のための整備費、開所後の運営費が「企業主導型保育事業」で決められた範囲内で国から支援されるため、保育事業への進出を考えていた企業が積極的に数多くの企業主導型保育所を開所しました。

3.主な特長は?

企業主導型の保育施設には、どのような特長があるのでしょうか?
以下に主なポイントをまとめてみました。

(1) 従業員の働き方に応じた保育サービスが提供できる(夜間や休日、1日4〜5時間や週2〜3回などの短時間保育への対応も可能)
法律の規制などを受けにくいため、このような柔軟な対応が可能になっています。

(2) 複数の企業が共同で設置・利用できる
決して運営会社を1企業が引き受ける必要はなく複数企業で共同設置も可能になっていますので、ショッピングセンターや工業団地などのコミュニティ主導で設置することもひとつの方法です。低リスクで資金的にも有利なこの設置方法は、徐々に多くなっています。

(3) 地域の子どもの受け入れができる
そもそもが待機児童対策として始まったため、地域の子どもたちの受け入れを行うことが求められていますし、出資企業の従業員の子どもたちだけでは経営が厳しいことも考えられるため、このあたりも柔軟な対応が認められています。

(4) 認可保育施設と同等の助成が受けられる
いくつかの条件を満たし、待機児童対策としての一定の役割を担うことができれば、認可保育施設などと同様に各種の助成金を受け取ることができます。

4.主な設置条件は?

  • 般事業主(子ども・子育て拠出金を負担している事業者)であること
  • 下記1~3のいずれかに該当すること
    1. 従業員向けに新たに保育施設を設置する場合
    2. 既存施設で新たに定員を増やす場合
    3. 既存施設の空き定員を他企業向けに活用する場合
    ※この他にも要件があります。
    「企業主導型保育事業パンフレット」 より

5.運営費用に関する助成金

助成金には、2種類あります。運営費用に関するものと、設置費用に関するものです。

まずは、運営費用に関する助成金についてまとめてみました。以下は、一例ですので、詳しくは、各自治体にご確認ください。

(1) 保育する子どもの年齢に応じてひとりあたりで算出されるもの

例えば、乳児だと約月額25万円、3歳児だと約月額11万円程度などと一人当たりの助成金が規定されています。

(2) その他の加算される条件など

(ア) 延長保育加算:開所時間を超えて30分以上の延長保育を実施した場合。

(イ) 夜間保育加算:午後10時までの開所時間まで利用している保育施設であって、仮眠のための設備及びその他夜間保育に必要な設備、備品を備えている場合。

(ウ) 非正規労働者受入推進加算:非正規労働者の子供を、優先的に入所させるための定員を別に設けて周知しており、かつ、その定員枠が空いている場合に補てん的に加算がつきます。

(エ) 病児保育加算:病気にかかっている子どもに対して保育を行った場合等

(オ) 預かりサービス加算:一時的に預かり保育を行った場合。

(カ) 賃借料加算:保育を実施する建物が賃貸物件の場合。

(キ) 保育補助者雇上強化加算:保育士の離職防止、保育人材の確保のために子育て支援員研修等の必要な研修を修了した者又は受講予定者を別に配置した場合。

(ク) 防犯·安全対策強化加算:ビデオカメラやベビーセンサーの設置等を行う場合。

(ケ) 連携推進加算:企業間のマッチングや地域枠の募集等の事務手続き等を行うために職員を別途配置した場合。

(コ) 処遇改善加算(Ⅰ・Ⅱ):職員の賃金改善やキャリアアップへの取り組みを行った場合。

詳細な条件などは、各自治体にお問い合わせいただきたいのですが、手厚い助成がされており国の強力なバックアップがあることがお分かりいただけるでしょう。

6.整備に関する助成金

人口密度区分、定員区分の2つの区分における基準額を基礎として 基本単価を算出し、実際にかかった対象工事費用に3/4を乗じた額と比較し低い方の額を助成します。

<参考例>以下は、参考例ですので、詳しくは、各自治体にご確認ください。

東京都特別区で定員20名の施設を新設する場合の上限額(地域交流事業・病児保育事業を実施の場合)

※上記は基準額の上限であり、実際は対象工事の実支出額の3/4との比較によって助成額が決定されます。

その他の加算される条件など(創設の場合)

(ア) 環境改善加算:既存建物等を活用するために、環境整備(改装)した場合。

(イ) 特殊付帯工事加算:建物に固定して一体的に整備する下記に掲げる工事を行なった場合。
例えば、水の循環・再利用の整備、生ごみ等処理の整備、ソーラーの整備、消融雪設備整備、その他資源の有効活用及び環境保全のために必要と認められるもの。

(ウ) 地域交流・一時預かりスペース加算:一時預かりや地域に密着した独自事業を実施する場合で、専用スペースを整備した場合。

(エ) 病児保育スペース加算:病児保育を実施する場合で、専用スペースを整備した場合。

(オ) 共同設置・共同利用連携加算:中小企業事業主が、他の企業との共同設置・共同利用する場合。

7. 企業主導型保育事業のメリットとデメリット

企業主導型保育事業における企業のメリットとデメリットをまとめてみました。

(1) 企業のメリット

・自社の従業員の就労状況に応じた対応が可能である。
・妊娠中、子育て中の離職率の低下につながり、人材を確保できる。
・従業員の満足度が向上する。
・地域住民にも施設を開放することによって、地域貢献につながる。
・複数の企業で共同設置すると、単独で運営するよりもリスクを低減できる。
・認可施設と同じように助成が受けられる。

(2) 企業のデメリット

・認可施設ではないため、保育施設の設置や園児保育士の募集まで、すべて自分たちで行う必要があり、運営面で負担が生じることが考えられる。
・認可保育園が加入できる公的な保険に加入できない。

8.まとめ

ずさんな運営が明るみに出て問題になったり、急な閉鎖で騒がれる企業主導型保育所もありますが、認可保育園に入れない子供には企業主導型保育所は必要な施設です。地域貢献だけではなく、新規事業として、また、自社の従業員の働きやすさ向上にとっても非常に有効な施策ではないでしょうか?

WEB検索をすると専門のコンサルティング会社が多数広告を出しています。そのようなコンサルティングサービスをうまく利用することができれば、初めての企業でも、この企業主導型保育事業をスタートすることもできるのではないでしょうか。ぜひご検討ください。

(執筆)
株式会社プロデューサー・ハウス 山本哲也
中小企業診断士

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