連載:第13回 補助金・助成金 活用術
まだ間に合う。3月決算に向けた中小企業の節税対策。4項目に分けて解説。
「会社の業績が好調なのはいいけれど、税金はできれば払いたくない…」。そんなことを考える経営者は少なくないと思います。そこで今回は、税金の仕組みを説明しながら、3月決算の法人を例にどのような節税対策があるかお話ししたいと思います。
税金は利益をベースに計算される
会社は事業単位を1年に区切って、売上などの収益とその売上のためにかかった仕入、人件費、減価償却費などの費用を集計し、売上から費用を差し引いて利益を計算します。そして「法人税」は、その利益をベースに計算された課税所得に税率を乗じて計算されます。
つまり、利益が多ければ多いほど納付する法人税は多くなるという仕組みです。ちなみに、令和3年度の中小企業の法定実行税率は33.58%ですので、仮に利益が100万円の会社では約33万円を法人税として納付することになります。
利益の計算方法は一つではない
法人税は会社の利益をベースに計算されますので、利益を少なくして納税額を抑えることに注目されがちです。
しかし、会計ルールを無視して利益を少なくすると脱税となり、法律違反を問われることになってしまいます。また、会計ルールは様々な会社の実情に合わせて複数ある会計処理から選択することが認められています。
そこで、
- 複数ある会計処理の中から会社が選択し
- さらに国が整備した制度を活用して利益を抑える
ことで、 納める法人税を少なくすることが可能 になります。
ここからは、おおきく 4項目に分けて節税対策を解説 していきたいと思います。なお、今回ご紹介する対策は、税法や他の法律で優遇が受けられる中小企業を前提としています。
1.会計ルールを活用した決算対策
会計ルールを活用した決算対策としては、費用の未払計上、家賃など費用の一括払い、貸倒引当金の計上が挙げられます。
・費用の未払計上
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