ziba tokyo代表 平田氏が語る、デザインとイノベーション
※この記事は2016年2月23日に開催されたイノベーションを生み出す思考「デザイン・シンキング」の録音を元に作成されたイベントレポートです。
ziba tokyoの平田です。どうぞよろしくお願いします。
まずzibaについて紹介させていただきます。zibaというのはペルシャ語の「美しい」という意味で、ヒューレッド・パッカード出身でイラン人デザイナーのソラブ・ボソジが、1984年に始めた会社です。メインブランチはオレゴン州のポートランドにあります。ポートランドは美しく安全なまちで、女性が夜一人で歩いていても大丈夫なほどです。
ブランチオフィスは、ミュンヘンと東京にあり、北米、ヨーロッパ、アジアを網羅しているデザインファームです。ziba全体では125名前後のメンバー、25言語、18カ国以上の人たちが働いています。ですから、全世界のユーザーのプロファイリングが社内でそろっているということになります。エンジニアや文化人類学、心理学などを専攻したメンバーがいて、各分野のエキスパートがデザイナーと一緒に活動しています。
このエルゴノミクス・キーボードはzibaの発明です。皆さんがお使いのUSBメモリも実はzibaの提案です。フラッシュメモリの売上低迷が課題だったイスラエルのM’sシステムという会社から依頼があって、フラッシュメモリをハードディスクとして扱うプロトコルを提案したんですね。なぜデザイン会社がそうした提案をするかというと、「デザインを提供するのではなく、クライアントの顧客に、その場で最もふさわしい経験を提供する」というのがzibaのミッションであるからです。
「WE HELP COMPANIES CREATE NEW VALUE THROUGH DESIGN」
これがziba全体のスローガンです。「デザインの力で価値創造をお手伝いします」という意味です。
ziba tokyoは2006年に発足しました。私たちは「ブリッジ」という東京オフィス独自のスローガンを掲げています。ブランドと人をストーリーでつなぐ会社、企業の潜在能力を引き出す会社、そして、考えを素早くかたちにする会社、という意味です。さらに、時代を捉えてその先を読む、というようなトレンドリサーチも常時やっています。言葉を変えると、経営課題を抽出して素早く共有し、顧客との新しいタッチポイントを発見するということです。これは、我々単独では行えません。クライアントとのコワーキングをどう進めるかという点に、わたしたちの工夫とアイデアがあります。
日本ではイノベーション=技術革新みたい言われ方をしますが、技術革新って技術だけではできないですよね。組織と戦略があって技術がより生きてくる。イノベーションとは、戦略と組織、つまりはブランドに関わる問題です。ziba tokyoは、クライアントのブランドとユーザーのストーリーをつなぐブリッジの役割を担います。
顧客の期待値を超えることがイノベーションに繋がる
デザイン思考の話を色々と聞いていると、僕はちょっと違和感を感じるんです。デザイン思考って言葉自体が「頭痛が痛い」みたいな感じがするんですよね。