「経験者のアドバイスにはお金を払う価値がある」ビザスク端羽氏が辿り着いたビジネスモデル

※この記事は2016年01月21日に開催されたシェアリングエコノミーが生みだす新しい価値とは～場所と知識のシェアによる新しい可能性～の録音を元に作成されたイベントレポートです。

「世界中の知見をつなぐ1時間のスポットコンサル」ビザスクを運営しております、株式会社ビザスクの端羽です。よろしくお願いいたします。

スポットコンサルティングとは何かというと、対面あるいは電話で1時間程度のアドバイスを受けられるサービスです。

例えば化学素材メーカーさんが、新規事業として健康食品関係のヘルスケア市場に参入しようと考えたとします。これまで自社で提供していた製品と違って、口に入れる素材を扱う必要がある。口に入れるからには社内に安全基準が必要な気がする。法律でいうと薬事法だけど、それ以外に何かしらの基準を各社で持っていそうだ。でも社内で初めての試みなので、誰に聞いたらいいかわからない。そういった時に我々が提供しているスポットコンサルティングを使っていただいてます。

去年の12月に登録アドバイザーが1万名を超えました。スポットコンサルというとコンサルタントの方が登録されてるように聞こえると思うんですけど、実際1万名の中の7割は在職のサラリーマンだったり起業されてる方です。2割ぐらいの方がシニアで、普段お仕事されてない方。1割がフリーランスのコンサルタントや士業の方です。

サラリーマンをされてる方は帰宅してから、2時間ぐらいは働くことができるんですよね。別にプロのコンサルタントじゃなくてもいいし、士業の資格が必要なわけじゃない。スキマ時間とお仕事で培ったビジネスの知見を生かして、困っている人や新しいこと調べたい人に対してアドバイスを提供できる。ビザスクはそういったサービスです。

1つ工夫したのは、謝礼を受け取らずに寄付できるようにした点です。サラリーマンには副業禁止規定があって、どうしても謝礼を受け取れない方がいらっしゃるんですよね。それでもその方はすごく貴重な知見をもっていて活躍したいと思っている。謝礼をもらわなくても、ありがとうと言われれば満足できる。そこで謝礼を受け取らずにNPOに寄付できるようにしました。対象のNPOは、WFPの学校給食プログラム、それからブリッジフォースマイルという児童擁護関連施設を支援しているNPO、もう一つがTeach for Japanですね。それぞれ何らかの形で学びに関連があるようなNPOさんを選ばせていただきました。

謝礼の受け取り方を工夫することで、制約のあるサラリーマンの方にも活躍いただけるプラットフォームになりました。

実は我々のサービスは二種類あります。一つは「手軽なC2C」と呼んでいますが、どなたでも経験を登録していただけるウェブマッチングの仕組みです。

もう一つはフルサポート型のビザスクコンシェルジュです。蓋を開けてみてびっくりしたのが、私たちのサービスって大企業の方が使ってくださるんですよ。利用クライアント例はここに書いてますけど、素材メーカーさんや、トヨタさん、パナソニックヘルスケアさんとか、東北大学ベンチャーキャピタルさんとかですね。いろいろな大手企業の皆さまに使っていただいてます。そういった方々が社内システム上の制限で我々のサービスにアクセスできず、できればEメールでアドバイザーとやりとりしたいという要望がありました。そこで、サービス上でマッチングする方法と、コンシェルジュが人手を介してフルサポートでマッチングする方と二種類の方法をご提供しながら、どんどんマッチングしてます。

依頼主の方は、基本的に企業の方が多いんですけど、これからビジネスを始めたいという方にも使っていただいてます。そういった方からも、プロのコンサルタントに頼もうとすると非常に高いけれども、手軽な値段で使えて非常に貴重な知見に出会えてよかったです、と言っていただいてます。

奥ゆかしい日本人が、自分の経験に自信を持つきっかけに

日本人は奥ゆかしいので、「自分はアドバイスなんてできません」とおっしゃる。10年20年と働いているのに、「いやいや諸先輩方がいらっしゃるのにそんなおこがましいことはできません」と皆さんおっしゃるんですよね。