連載:第21回 建設業
加速する不動産業界のDX、1年で推進企業が増加するも予算的には「100万円以下」が半数
急加速しているDX(デジタルトランスフォーメーション)について、ライナフ、UPDATA、イタンジ、WealthPark、サービシンク、スペースリー、リーウェイズの不動産テック7社、そして一般社団法人不動産テック協会は、「不動産業界におけるDX推進状況」に関するアンケート調査を共同で行い、現状について分析を行いました。ほぼ1年前に行われた同種調査との比較も行っています。
不動産業界でもDX推進企業がかなり増加、ただし予算はまだまだ
まず不動産事業者237社に、DXを推進しているかを聞くと、全体の90%超になる218社が、「推進している」と回答しました。1年前は全体の60%に留まっていましたが、推進企業がかなり増加した様子がうかがえます。
DX推進の目的としては、「業務効率化」85.2%が圧倒的に多く、2位「集客力アップ」40.1%、3位「成約率アップ」32.5%などに倍以上の差を付けています。
一方「DX推進で苦労している点」を聞くと、「DX人材の確保ができない」45.7%、「予算不足」42.5%が特に多く“人材不足”が最大の課題のようです。
実際「不動産事業者におけるDX年間予算」を見てみると、「50万円以下」33%、「50万円~100万円」16%、「100万円~300万円」19%となっており、人件費だけでも足りていないことが分かります。ただし「1,000万円以上」18%も存在していました。明確に将来を考えてDX投資を行っている企業も一定数存在するようです。
不動産業務DXの課題は「人材不足」と「業界ならではのシステム」
具体的な導入サービス・ソフトウェアを聞くと、「導入している/導入が進行中」が最も多かったのは「Web会議システム」70%で、「不動産基幹システム」59%がそれに続きます。
コロナ禍前後での進捗を見ると、やはり「Web会議システム」の導入が目立ちますが、「オーナーアプリ/ポータル」「VR/オンライン内見システム」といった、業界独自のソリューションが伸長しています。
これを満足度別で見ると、「Web会議システム」75%がかなり高く、不動産業界の潜在的ニーズにフィットしたと思われます。一方で「VR/オンライン内見システム」48%、「オーナーアプリ/ポータル」27%などは導入率に比べてやや低調であり、“不動産業界ならではのDX”を考えるうえでのポイントになりそうです。
なお、「電子契約へ移行できる準備を行っていますか?」という設問では、「移行準備を行っている」30%、「様子を見て移行したい」33%に対し、「移行したいがシステム選定に不安がある」10%、「移行したいがオペレーションに不安がある」10%といった声も寄せられていました。
不動産業界においてもDXが加速していますが、「人材不足」と「業界ならではのシステム」という2点が課題と言えそうです。
調査方法
調査期間:2021年6月3日~25日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:不動産事業者
調査数:アンケート先237社
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000015549.html
https://linough.com/press20210716
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