連載:第39回 建設業
迫る「建設の2024年問題」、改善してほしいのは“給与水準のアップ”と“長時間労働の是正”
2024年4月から労働基準法が改正され、「時間外労働の上限規制厳格化」が始まります。これは建設産業も例外ではなく、特に「建設の2024年問題」として注目されています。建設業はこれまで猶予期間がありましたが、今後は厳しく規制されることとなります。
中小企業で強い「給与水準のアップ」を求める声
野原グループが全国の建設業界従事者1,000人を対象に実施した独自調査では、「建設現場において、ご自身や現場関係者が痛みをともなう深刻な課題だと思われるもの」として、「前後の工程の都合での手待ち(現場に入ってみたら作業できる状態ではなかった)」「新築の竣工前に変更や手戻りがある(作業指示が明確ではない)」を上回り、「週末にも働く(納期厳守や工程管理が厳しくて休めない)」が50.1%で突出していました。超過労働・時間外労働などが常態化している様子がうかがえます。
また日々の作業に対して、手待ち(現場に入ってみたら作業できる状態ではなかった)や手戻り(何らかの問題が生じることにより工程の途中で前に戻って作業をやり直すこと)が発生していることがうかがえます。
「週末にも働く」という回答を従事業務別に見ると、「施工管理(現場監督・所長)」59.0%が高い一方、日給制が基本の「施工」45.0%、「専門工事」48.0%は低めです。
「建設業界で改善してほしいと感じていること(複数回答可)」を聞くと、従事業務別のほぼ全業務において「給与水準のアップ」「長時間労働(休日取得日数・早出・残業)の是正」がダントツに高い現状が明らかとなりました。一方、営業では「長時間労働(休日取得日数・早出・残業)の是正」51.0%、「給与水準のアップ」48.6%など、労働条件に関する項目が上位でした。
なお事業規模別では、中小企業で「給与水準のアップ」52.9%がとびぬけて高く、大手企業では「長時間労働(休日取得日数・早出・残業)の是正」51.2%が最多でした。
調査方法
調査期間:2024年1月15日~22日
調査方法:インターネット調査(調査元:BuildApp News編集部、調査機関:ゼネラルリサーチ)
調査対象:全国の建設業界従事者(20~70代)
調査人数:1,000人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000258.000019866.html
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建設業
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