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連載:第22回 建設業

東京都23区中22区で2001年以降築の中古マンションの価格が高騰

BizHint 編集部 2021年7月29日(木)掲載
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新型コロナウイルスが日本経済や不動産市場に与える影響は、未だ先行きが見えません。そんな中、マンションナビを運営するマンションリサーチ株式会社は、2021年上半期(1月~6月)の東京23区の中古マンション価格を調査しました。2017年~2021年現在までの価格を各区で比較しました。

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2021年上半期、千代田区を除く22区で前年比プラスに

上記グラフは、東京都23区2001年以降築中古マンション2017年~2021年上半期成約坪単価推移を現しています。全体的に概ね右肩上がりとなっていて、2017年~2021年上半期にかけて、中古マンション価格の高騰傾向は継続していることがわかります。

下記の表は、前年比増減率を加えたものです。2021年上半期に関しては、千代田区のみ前年比「-1.2%」の微減となっており、その他すべての区で高騰しています。ただし、千代田区は2020年の前年増減率が「+8.83%」と東京都23区の中で最も高く、その反動で2021年上半期の前年比微減になったものと推測できます。江東区、品川区、荒川区では、前年比10%を超える大幅な高騰となっています。

コロナ禍で高騰傾向はさらに加速

国内で新型コロナウイルス蔓延が始まった2020年に注目してみると、2021年上半期同様、23区中22区が前年比で高騰しています。コロナ以前にも価格は高騰傾向にあったと見て取れますが、コロナ禍でその動きが加速しているようです。

2021年上半期における東京23区の価格高騰は、旧耐震基準で建てられた1981年以前築の中古マンションではさらに顕著に現れています。

2001年以降築の中古マンションはコロナ前から価格が高騰傾向にありましたが、1981年以前築の旧耐震基準で建てられた中古マンションは、東京23区全体で高騰していたとはいえません。

しかし、2021年上半期には、千代田区の前年比「+57.6%」を筆頭として大幅に価格が高騰しています。2019年の価格は、前年比マイナスになっていたのが23区中9区。2020年には3区に、そして2021年上期には2区までに減少しました。コロナ禍では、それまで見られなかった旧耐震基準のマンションの価格も高騰傾向に転じているということです。

続いて、新耐震基準の中でも築20年以上の中古マンションの価格推移を見てみると、価格が高騰傾向にあるのは他の築年帯の中古マンションと変わりませんが、全体的にはコロナ禍で加速した傾向が見られないことがわかります。コロナ前の2018年から、23区中3~5区が前年比でマイナスに。2021上半期についても、それは同様です。

とはいえ、千代田区、足立区、渋谷区、台東区、品川区の5区は、2021年上半期の価格が前年比「+10%以上」となっています。局所的には、築20年以上の新耐震基準のマンションも高騰傾向が加速していると見られます。

中古マンションの供給は減少

ここまで、2021年上半期までの東京都23区中古マンションの価格推移を見てきました。総じて、全体的にコロナ前も高騰傾向にはあったものの、コロナ禍、とくに2021年上期にはこの傾向が加速しています。そして、「2001年以降築」および「1981年以前築」の中古マンションで、この傾向はより顕著に現れています。その要因を探るべく、価格形成要因に大きくかかわる同エリアの中古マンションの需給バランスを見ていきます。

新型コロナウイルス蔓延が始まった2020年は、前年比で中古マンションの売出数が大幅に減少しました。とくに1度目の緊急事態宣言が発出された2020年4月、中古マンション売出数は前年比「-37.7%」と急落し、その後も低水準で推移し続けています。

2021年4月、5月には前年比でプラスに転じているものの、あくまで前年の緊急事態宣言下にあった時期との比較。この時期にプラスに転じたからといって、売出数が回復傾向にあるとはいえません。

2021年6月には再び前年比マイナスに転じていることからも、2021年下半期も中古マンション売却マーケットの縮小への懸念は拭い去れないでしょう。

中古マンションの「需要」は拡大

中古マンションの供給が減っている一方で、需要については拡大傾向にあるようです。

公共財団法人東日本不動産流通機構によると、2020年4月以降、首都圏の中古マンション成約件数は、前年同月比、右肩登りで推移しています。2021年5月の成約数は、機構発足以降、5月として最高値を記録しています。

2021年上半期が終わった今、東京都23区の中古マンション価格は高騰基調が加速しています。その要因は、需給バランスの崩れです。新型コロナウイルス蔓延以降、供給数は大幅に減少し、その一方で需要は大幅に拡大しています。この乖離はどんどん大きくなっており、2021年下半期にはさらに価格高騰が加速する可能性が高いでしょう。

調査概要  

調査テーマ:2021年上半期中古マンション市場について

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000013438.html?fbclid=IwAR1C_c1mTc5uP_XAcPJM8jH_75TmjYQTQhATJtHpFdiI-zRoaVAw_anoaFs

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