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連載:第18回 中竹竜二さんが聞く【新しい組織・リーダー論】

代ゼミ・高宮共同代表と語る「潜在的な能力を引き出す方法とは」

BizHint 編集部 2019年6月26日(水)掲載
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サピックス・代ゼミグループの高宮敏郎共同代表と中竹さんは今回「潜在能力を引き出す方法」についてお話をしています。大事なのは今の成績ではなく、本人の嗜好・スタイルだと言います。何が好きなのか嫌いなのか、何を目標にするのか。仮に失敗した時、どう対応するか――。先生や上司、親たちは、おさえるべきポイントを踏まえて指導すべきだと言います。

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高宮敏郎さん

SAPIX YOZEMI GROUP 共同代表、学校法人高宮学園代々木ゼミナール 副理事長。1974年生まれ。97年慶應義塾大学経済学部卒業後、三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)に入社。2000年4月、祖父(故高宮行男氏)の興した学校法人高宮学園に入職。同年9月から米国ペンシルベニア大学に留学、大学経営学を学び、教育学博士号を取得。2004年12月帰国2009年から現職。SAPIX小学部などを展開する株式会社日本入試センター・代表取締役副社長、オンライン英会話スクールを運営する株式会社ベストティーチャー代表取締役会長なども兼務。


はじめに

前編では、SAPIX YOZEMI GROUP の高宮共同代表に、これからの時代に身に着けるべき力についてお伺いしました。高宮さんの答えは「ダイバーシティ」。多様な価値観を受け入れるだけの素養を持ち、自ら、多様な価値観の中で主体的に生きていく力、という本来の意味で言っています。これは勉強すれば備わるものではありません。多様性ある「環境」で学んでこそ得られるものだといいます。

<前回のまとめ>

  • 日本の教育機関の競争力が低下している。学術的な実績、教育施設、留学生を受け入れる環境など多くの指標が悪化。男女比率の「偏り」は深刻。もっと問題視されるべき
  • 「これからの社会に求められる力」はダイバーシティ。多様な価値観を受け入れ、多様な価値観の中で生きていく力が一番必要になる
  • 単一の価値観では変化に対応できない。クリエイティブな才能も開花しない。リーダーになることもできない
  • スキルや知識の習得よりも、知識を意思決定、行動に活かせるスタイルが大事。そのための「経験」が欲しい
  • 経験する学校としてボーディングスクールが一つのヒントとなる。生徒を導く環境に見習うべきことがある
  • 潜在的な才能をどう引き出すか――。親、教師は、「表層的」な成績に惑わされてはいけない

そこで、一部の教育熱心な親の間では、リーダーを育てる欧米の「ボーディングスクール」に関心が集まっています。今後、中学・高校からの海外留学も増えそうです。 ただし、こうした留学した先の環境にすぐに適応できる子もいれば、なかなか慣れずに戻ってくる子がいます。中竹さんは「勉強ができる・できないといった表層的なパフォーマンスよりも、その子の好き・嫌い、スタイルを知ったうえで指導することが大事」といいます。 これは「親と子」の関係ばかりじゃなく、上司と部下の関係にも通じるお話だと思います。 後編では、上司が部下の能力を引き出すためにはどうすればいいのか、といった話題から始めたいと思います。

「開花していない才能」とどう付き合うのか。

BizHint編集部: 「親と子供」の関係と違い、「上司と部下」は常に一緒にいるわけではありません。その人の本当の能力を見極めてコーチングをすることは一層難しいと思います。職場だと、上司が部下に「期待をかける」のはいいんですが、本人がそのプレッシャーに耐えられず、「実力を発揮できない」という話はよく聞きます。

中竹竜二さん(以下、中竹): 私も早稲田大学のラグビー部の監督時代、とても優秀なプレイヤーを4年生の時に、キャプテンに抜擢したことがあります。最初は2日間の大会のみ限定のキャプテンでした。ただ、キャプテンとしてチームをまとめることができませんでした。そればかりか、その後、選手としての調子も落としてしまいました。私ばかりではなくコーチ陣から見ても彼は「すぐれたプレイヤーだし、リーダーとしてもできる」と思っています。でも、 本人が「嫌だ」「向いてない」と思っていると難しい。「嫌な」なことは行動が消極的になります。 ミスも誘います。ミスをすれば、「やはり、うまくいかない」「やはり、嫌だ」と思ってしまいます。

先ほど、早稲田大学ラグビー部の主将抜擢でうまくいかなかったお話をしましたが、実は、次の年からは主将の選び方を大きく変えました。一言で言えば、「主将らしい選手」ではなく、「自分のスタイルがある選手」を選びました。これまでお話したように、 その選手なりのスタイルが分かれば、目標設定がしやすいし、我々もサポートもできます。チームとしてまとまるスピードも違います。

高宮敏郎さん(以下、高宮): 何かきっかけがないと、マイナスのループから抜け出せないんですよね。

「英語の得点が良くても、好きとは限らない」

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