連載:第15回 慣習に囚われない 改革の舞台裏
気象協会の老舗事業を高収益化し上場。大規模組織と一人から始まった共同事業
日本気象協会の「tenki.jp」は多くの人に利用される一方で、マネタイズという大きな課題を抱えていました。一時はサイト閉鎖の話も出る中、いかにして今日の高収益なビジネスに転換していったのか?そこには、ある個人との付き合いから始まった共同運営がありました。大規模組織とのプロジェクト運営やそのパートナーシップによる変革、コミュニケーションの手法などを、株式会社ALiNKインターネット 代表取締役の池田洋人さんに聞きました。
株式会社ALiNKインターネット
代表取締役 池田 洋人さん
1974年生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、民間の気象会社「ハレックス」に入社。1999年、気象予報士に合格。その後、「ヤフー」に転じ「Yahoo!天気」の総合プロデューサーとして全面的なリニューアルに携わる。父の経営する印刷会社「ありんく」に籍を置く形で独立、日本気象協会との共同事業となる天気予報専門メディア「tenki.jp」を人気サイトに成長させる。2013年、「ALiNKインターネット」創業。2019年、東証マザーズに株式上場を果たす。 ※ALiNKの読みは「アリンク」。
同業他社から見ても伸び悩んでいた老舗サイト
――「tenki.jp」の歴史は長いそうですね。
池田洋人さん(以下、池田): 「tenki.jp」の前身となるサイトが生まれたのは1996年です。日本気象協会(以下、気象協会)と通信系企業とが、公益事業の一環として作ったのがはじまりですね。ウィンドウズ95が発売された頃で、ホームページはまだ一般的ではない中、時代に先んじて天気予報をWEBで見られるようにしていました。
その後、iモードやYahoo!など天気を取り扱うメディアが次々と登場し、天気予報はどこでも見られるようになっていきます。結果的に、公益事業としての「tenki.jp」の役割は徐々に薄らいでいきました。
前職である「Yahoo!天気」の総合プロデューサー時代にも、 「tenki.jp」は同業他社に先行されている、追い抜かれつつある… といった認識で見ていましたね。
――「tenki.jp」を改革するためにYahoo!天気を離れられたのですか?
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