連載:第3回 【Future of Work】
【Future of Work Japan 2018】ITの力で赤字旅館をよみがえらせた経営改革とは?
2018年9月6日(木)、7日(金)の2日間、未来の経営と働き方に出会うEXPO 『Future of Work Japan 2018』が虎ノ門ヒルズで開催されました。2日目のセッションでは、『経営課題を乗り越えた驚きの事業変革 〜旅館業からIT業へ〜』をテーマに、株式会社陣屋 代表取締役・女将 宮崎知子さんが登壇しました。イベント当日の模様をレポートいたします。
【登壇者】 株式会社陣屋 代表取締役 女将 宮崎知子さん
大学卒業後メーカー系リース会社にて営業職に7年間従事し、結婚を機に退職。サービス業未経験のまま第二子出産2ヶ月後の2009年10月に倒産の危機にあった鶴巻温泉元湯陣屋の女将に就任。夫・宮崎富夫氏とともに業務改善のためクラウド型ホテルシステムを独自開発し、ICTを活用した生産性とおもてなし向上を実現。8年で売上2倍、2016年より定休日3日を実現。
現在は業界トップクラスの経営状況
神奈川県秦野市の鶴巻温泉で旅館「元湯 陣屋」を営んでいます。私共は旅館業のほか「陣屋コネクト」「陣屋EXPO」といったIT事業を運営しております。このビジネスの側面をお話ししたいと思います。
陣屋は大正7年に創業した旅館です。旅館単体の年商は昨年度5.6億、今年度6億を突破しました。客室は18部屋で、営業日は木曜から日曜までの週4日です。
宿泊業界は外資系企業も多く欧米化が進んでいるため、経常利益ではなくEBITDA率* を指標にしていますが、こちらは現在30%で業界でもトップクラス となっています。 *利払い前・税引き前・減価償却前利益率
客単価は一泊二食付きで37,000円、一人当たりの平均単価は50,000円です。従業員は社員27名、パート15名。パートさんはシニア層が多く最高年齢は83歳。社員のみの平均年齢は27歳となっています。
離職率は3%、平均年収は400万円です。宿泊業は残念ながら平均年収が低く、全国平均は250〜260万円です。オリンピックが近づいて金額は上がっているものの300万円に届かず、私共はこの点を危機に感じております。
初任給は一律25万円、1人あたりの労働生産性は年1000万円で、業界平均470万円の約2.5倍を捻出しております。
私共は同業他社にアプリケーションを販売するIT企業の側面もございます。現在、創業6年目で全国300ほどの施設に導入しており、年商は昨年1.6億、今年度は2億の見込みです。従業員はサポート・営業が5名、システムエンジニア、プログラマー含めた開発部門が18名です。
グループ全体の売上は昨年度7.2億、2017年度決算では8億となっています。
経営破綻寸前だった老舗旅館……救うには?
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